「参謀」を目指すことが成長への近道-企業参謀ノート(入門編)
よく「ゼロからのスタート」っていいますが、生まれてある程度年をとれば何かしら経験しているので、本当のゼロではないはずです。経験してきた中で、人と出会いながら自分の性格を、無意識に把握しているのではないでしょうか。
昔のぼくはこれといった強みがありませんでした。でもプロフィールにも書いたとおりボランティア経験もあるし、誰かをサポートすることに情熱を燃やせるタイプと自覚していたし、そういう能力が友人にも役立っていたようです。
つまり幸いにして、ぼくは若いころから「参謀」という意識を持つことができました。そしてその意識が成長につながったと自負しています。そこで大前研一さんの「企業参謀ノート(入門編)」を読んで、あらためて「参謀」について整理しました。
“猫の手”ではなく“右腕”
「参謀」って“社長の右腕”というイメージがします。でも“社長の右腕”と“猫の手”は違うはずです。“猫の手”は、自分でできるけど時間がなくてできないことを頼むだけです。それでは“右腕”には程遠いです。
参謀とは、天気予報を見て「今日の天気は晴れのち曇り。降雨確率は50%か・・・」とつぶやく人ではない。雨が降りそうなら、「社長、傘を持っていってください!」と言える人なのだ。単なる分析屋さんや評論家さんとの違いはそこだ。私がこの国で40年間コンサルタントとして稼げたのは、日本人がいまだにこの最後のひと言が言えないからだ(p8)
社長が知らないことを教え、できないことをするのが「参謀」です。そしてそのようなポジションで動けるからこそ「参謀」はやりがいがあり面白いわけです。とにかくまずは必要とされる存在になることを目指すべきです。
“使える一手”が必要
「参謀」としては、情報を常にインプットにしなければなりません。しかしインプットしてもアウトプットしなければ、自分の血や肉になりません。さらにアウトプットしても、それが“使える一手”でないと意味がありません。
参謀というのは、将軍(社長)に対するアドバイザーだ。若くしてそれができるようになるには、面倒臭がらずに自分の足を使って人の話を聞きに行ったり、街に出てデータを集めたりしなくてはならない。ネットを使ったっていい。とくかく汗をかいて資料を集め、必死で分析し、そしてそれを将軍にわかりやすい形で伝える―つまり具体的な行動として提言することのできる人が参謀と名乗れるのだ。(p11)
“使える一手”が言えないと、単なる勉強好きになってしまいます。また難しいことを難しく話すのは単なる自己満足に過ぎません。わかりやすくシンプルに何をすべきか言えるのが「参謀」の真価ではないでしょうか。
誰だって「参謀」になれる
「参謀」になるにはコンサルタントのキャリアが必要かのように思われがちですし、ぼく自身そう思っていました。しかし実際はそうでもなさそうです。
ところが「なんとか総研」といった分析屋さんたちは、ツールから導き出したアウトプットをクライアントに見せて、「へぇー!」と驚かれるだけ。じゃあ、会社はどうすればいいのと問われても答えられない。これでは意味がないのだ。何度も言うが「社長、傘を持っていってください。」と、具体的な行動に落とし込んだ結論を言えるのが参謀なのだ。ツールによって導き出された分析を行動に落とし込まずして、参謀を名乗る資格などない。(p17)
「参謀」と「アナリスト」は違います。分析した結果をどう活かすか常に考えることが「参謀」のミッションです。つまり「参謀」の意識を持って考動すれば、誰だって「参謀」になれるわけです。
≪まとめ≫
ぼくは「参謀」という意識持つことで成長を加速させ、今では「弁理士」という強みを持った「参謀」を目指すところまできました。知的財産権に関する“使える一手”だけでなく、そのノウハウを活かして商品企画や会社経営に関する“使える一手”も考え続けます。
2013年12月11日
著者 ゆうすけ
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