アップルのデザインの表と裏の世界
ファッションなどに限らず、デザインというキーワードは産業の発達に欠かせない要素になってきました。そして、デザインを語る上で欠かせない存在といえば、アップル社ではないでしょうか。
華やかな世界ほどその裏は泥臭いとよくいいます。そこで、アップル製品が披露するデザインにも、実は表と裏の世界があったことを知る切っ掛けになった本をご紹介します。
photo credit: iPhone 5S via photopin (license)
アップルのデザインの表
iPhone6sが発売されている今となってはちょっと古いですが、iMac、iPod、歴代iPhoneといったアップル製品の筐体の表面(外側)の加工法のみならず、隠れた部分(内側)の強度設計や部品の接続方法など、かなり緻密に計算されています。
これらを見ると、特に工業デザインというのは、単なる“見た目”の美しさだけではなく、ユーザーの使用状態や生活の必需品として満足させるもの、つまり、製品の機能を存分に発揮させるものだと思わせられます。
デザイナーの川崎和男氏いわく「デザインは機能美ではありえない」という言葉の意味もわかったような気がします。工業デザインには機能がそもそも含まれていて、逆に言えば、機能を追求するとデザインも自ずと研ぎ澄まされるのかもしれません。
アップルのデザインの裏
一方で、自社工場を持たないファブレス経営のアップルにとって、デザインの思想を追求し、製品にその思想を反映させるには、必然的に一定水準の技術力を備えた数々の協力会社が必要になります。
そこでアップルが注目したのが、技術力や品質の高さがウリの日本の名だたる企業や地域の職人でした。日本勢にとっても、アップル製品の部品供給や加工受託がある意味ステータスだったといいます。
しかしながら、製品の需要拡大に伴う生産量の増加やコストダウンの必要性が高まり、アップルは日本勢のノウハウを低賃金層のアジア諸国に横流ししたため、いわゆる「アップル倒産」した企業まで出てしまいました。
≪まとめ≫
アップルのデザインの見た目(表)については、多くの人が魅了されているのではないでしょうか。しかし、その見た目(表)を実現(製品)にするためには、力技(裏)が必要だったのかもしれません。裏と表の世界を知ることで、アップルのデザインの真相を知ることができるのではないでしょうか。
2015年11月20日
著者 ゆうすけ
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