差別化したいなら守れ!「守れるアイデア」を発掘するメリットとしないデメリット
この前、某外資系コンサルティング会社の社長さんとお話する機会があって、ぼくの活動をコンサルティング商品にしたらどうかと聞いてみたところ、そのことをお客さんに訴求できたら面白いかもって言ってもらえました。
そこで訴求できるメッセージや商品の内容についてブログで発信しながら固めていこうと考えました。コンセプトは、「守れるアイデアを発掘する」です。
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「守れるアイデア」とは?
ぼくが定義する「守れるアイデア」とは、構造に特長があるプロダクト品や仕組みに特徴があるウェブシステムやアプリケーションなど技術開発により生まれたアイデア、形状に特長があるプロダクト品や商品パッケージなどデザイン開発により生まれたアイデア、会社名・商品名・会社や商品のロゴ・キャラクターなどマーケティング開発により生まれたアイデアで、差別化できていることが条件です。
どのように守るかというと、技術開発により生まれたアイデアは特許、デザイン開発により生まれたアイデアは意匠登録、マーケティング開発により生まれたアイデアは商標登録で守ります。
なぜ守らないのか?
特許や意匠登録や商標登録することでアイデアを守れる、つまり誰かに真似されても止めさせる権利を持つことができることは、だいぶ知られてきました。でも売れて儲かってきて真似されはじめたから、後手後手になってるのに特許とか取れますか?と駆け込んでくる人もまだまだ多く、残念ながら申請しても取れないケースをぼくは数多く見てきました。だから特許を申請するタイミングはとても大事なわけです。
それにしても、なんで後手後手になってしまうのか考えてみました。おそらく単に特許のことを知らなかったり、お金がなかったりというのも一つの理由でしょう。でもそもそも守る価値があるアイデアかどうか考えてないんじゃないかなって、ぼくは思うんです。
差別化したければ「守れるアイデア」を発掘しよう
売れるアイデアの中には、お金を出してまで守る価値がない(そもそも守れない)ものも当然あります。でもこれだけ世の中が豊かになってモノがあふれているため、守る価値があるアイデア、つまり差別化できているアイデアじゃないと、売れなくなってきているのも事実です。
だからスタートアップや新商品の企画では、「守れるアイデア」を発掘すべきです。そして守れるかどうかを客観的に判断するには、既に世の中にあるアイデアと比較するしかなく、似たようなアイデアだったら、違うアイデアを付け加えたりアイデアの軸をずらしたりして差別化できているか検討する必要があります。そのようなことができるのは、特許などの知識がある専門家以外にはいません。
では「守れるアイデア」を発掘しないとどうなるかというと、そもそも売れないか、売れたとしてもアイデアを真似されライバルが増えるため、価格競争に巻き込まれるか、早々に飽きらるでしょう。
≪まとめ≫
そろそろ、売れたアイデアを守る、ではなく、守れるアイデアじゃないと売れない時代がくると想定しています。これは、特許をとれば売れるという意味では全く無いのでご注意ください。「守れるアイデア」には差別化された新鮮さがあります。最終的に特許を取る取らないは自由ですが、そういう心意気でモノづくりをすべきではないでしょうか。
2014年3月27日
著者 ゆうすけ
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