ネジだってブランドが大事でしょ!商品名で差別化する工具メーカーの戦略
工具の商品名なんて誰も見てないでしょ!とあきらめたらおしまいです。商品が地味で似たり寄ったりなら、商品名で差をつけるというのも一つの手段です。
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ネジもブランド化!がんばろう工具メーカー
JFE条鋼(野村寛社長)は29日、ねじ節鉄筋、機械式継手、機械式定着工法用金物、グラウトの商品名を統一し、10月に特許庁の商標登録を取得したと発表した。ねじ節鉄筋は従来、旧・ダイワスチールが「DSネジバー」、旧・豊平製鋼は「ネジベアーコン」の商品名で販売。
<引用:2014/10/30 日刊産業新聞 「JFE条鋼、ねじ節鉄筋など商標登録取得」>
JFE条鋼といえば、ダイワスチール株式会社、東北スチール株式会社、豊平製鋼株式会社が2012年4月1日に合併してできた会社です。
主に鋼(はがね)の製造販売という一般ユーザーになじみのない業界ではありますが、みんなの生活にはなくてはならないもの(車や電車や飛行機や配管など)を作っているわけです。
そんな人々の暮らしに欠かせない素材をつかってつくったネジのブランド名として商標登録してあるのが以下の3つです(特許庁データベース検索より)。
これらはネジに関する商品名で、たとえば「ネジカプラー」はネジ状の棒(ネジバー)をつなぐ継手です。そして「カプラー」とは結合器という意味があるようで、例えば音響を集めて分配するもの(音響カプラー)という使われ方がされています。
つまり意味としては、ネジバー同士をつなぐ結合器(継手)となり、「ネジカプラー」は商品の意味(コンセプトや機能)をわかりやすく伝えるネーミングと考えられます。
そして業界内で意味が伝わりやすい点を考えれば、それだけ認知されやすく、誰もが「ネジカプラー」といったらこれ!とわかる状態(ブランド化)になる可能性を秘めているため、商標登録する意義が十分あります。
≪まとめ≫
アイデアを守る=特許と思われがちですが、わかりやすい商品名をつけてマーケット内でその商品をひろめまくれば、マーケットを守ることにもなります。つまり業界にかかわらず、工具メーカーもその考え方は共通です。
2014年11月1日
著者 ゆうすけ
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