弁理士が主人公の本「ぼくは愛を証明しようと思う。」を現役の弁理士が読んだ感想
ネットニュースでこの本のことを知り、なんと主人公が弁理士!ということで、早速購読しました。モテない弁理士の主人公が、「恋愛工学」というモテるための理論を知り、人生が一変するというストーリーです。
弁理士の仕事ぶりがリアルに書かれてる♪
まず、弁理士を知らない人や、弁理士がどんな仕事をしてるかは興味がない人にも、すごくわかりやすく書いてあるので、少しは弁理士の認知度あがるかな~なんて思ってます(笑)。
普段の業務内容やクライアントとの打ち合わせ場面なんかも、リアルに表現してくれてるな~と感心しました。弁理士の新たな姿(ファンドとの協業)についても、僕は共感です。
弁理士は恋愛工学と相性がよい!?
それにしても、なんで弁理士を主人公にしたのかな~というのが素直な疑問なんですが、想像するに、弁理士は非モテなキャラ設定にピッタリな上、恋愛工学と相性がいいのかなって思いました。
まず、弁理士は8割理系男子なので、理論好きの人が多いはずです。そして、理系は答えを導く訓練を学校の授業で受けてるため、完璧主義の傾向があります。
しかも、弁理士は国家資格の中でもトップクラスの難易度(合格率5%前後)のため、ストイックで負けず嫌いが多いのではと思うんです。
つまり、欲望を満たすためならどんなミッションもこなすという主人公の強い意思は、弁理士が持ちそうなコンプレックスとアイデンティティから来ており、恋愛工学の正当性を証明しやすいタイプかもしれません。
恋愛工学は仕事の役にも立つ!
そんな弁理士がモテ男に変身してしまったプロセスはぜひ本書で楽しんでもらいたいところですが、「恋愛工学」は仕事術としても使えるんじゃないかなって思いました。
印象的だったのが、相手と接触している時間をあえて短くセットし、自分の価値及び相手の欲求を高めるテクニック(タイムコンストレイントメソッド)です。
仕事でもそうですが、相手の要求を過剰に上回るサービスは自分の価値を下げるだけだし、むしろ相手もうんざりなはずです。それを時間を区切ってセーブする発想は仕事に使えそうです。
また、「恋愛工学」の基本は相手の様子をしっかり観察することであり、その結果として導いた仮説(相手の心理や要求)を少しずつ探りながら核心に迫るプロセスは、セールストークのクロージングだな~と感じました。
≪まとめ≫
リスクを背負って「恋愛工学」を習得した主人公の心境の変化と最後にたどり着いた行き先をどう捉えるかがこの本の最大のポイントだとぼくは思いました。また弁理士が主人公の作品が出ることを楽しみにしています!
2015年8月14日
著者 ゆうすけ
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