LIG(リグ)から学ぶ、ウェブ制作会社が生き残るためにすべき3つこと
今日はご縁あって、ブログマーケティングで話題のウェブ制作会社LIG(リグ)さんを見学してきました。ウェブやアプリの制作会社はブラックで退職率が高いという話を聞いたことがありますが、LIGさんは違うようです。社内にはいい空気が流れ、雰囲気がよく、活気づいていました。
でも何か特別なことしてるんじゃないの?と思いきや、そうではありません。やるべきことをやっている、ただそれだけなんです。だからLIGさんのやり方って、ウェブ制作会社にとってすごくいいお手本になるはずです。
そこでLIGさんに学ぶ、ウェブ制作会社が生き残るために必要な3つことを整理しました。
1.わかりやすい会社のコンセプト
「LIG(リグ)」は、「Life is Good(ライフイズグッド)」の略で、「素晴らしい人生」という意味です。コンセプトを社名にしてしまったわけです。つまりコンセプトがわかりやすいから、ウェブ制作というハードワークに対しても、軸がぶれないのでしょう。
なぜ仕事をするのか?その認識が、LIGのみなさんには共通しているのではないでしょうか。そしてそのエネルギーが外にも伝わり、またいい人たちが集まるから、いい仕事ができる、そう思うのです。
LIGのように、英単語の頭文字を組み合わせる社名はよくあります。たとえば「3M(Minnesota Mining & Manufacturing)」とか「IBM(International Business Machines)」とか。最初は認知されにくいのがデメリットです。でもLIGさんはすっかり認知されており、ネーミングのパワーをフル活用しています。
ちなみに最近のIT企業の傾向は、ヒットしたコンテンツ名を社名にするパターンです。ライフレシピの「nanapi(ナナピ)」もそうです。それはそれで集客力があるため問題ありません。本体からスピンアウトするときによく使われる決め方です。
2.ブログでマーケティング
LIGさんといえば、やはり圧倒的にインパクトのあるブログです。これ無しでは語れません。
以前は技術系ノウハウをウェブで発信していたけど、それだとファンが増えないと感じたそうです。そこでコストをかけずにファンを集められるやり方として思いついたのが、ブログでした。
LIGさんがブログ記事で意識していることは2つあります。1つは「役立つこと」、もう1つは「楽しませること」です。どちらかというと、「楽しませる記事」が目立って注目されていますが、その割合としては2:8で「役立つ記事」が多いそうです。
共同代表の吉原ゴウさんは、そんなLIGブログのコンセプトを“プリン”に例えていました。つまりプリン(役立つ記事)だけでは物足りないけど、その上から甘いカラメル(楽しませる記事)をかけると美味しいしまた食べたくなる、そんな読者の心理を考えているのです。
<参考> 企業ブログは「プリン」をイメージせよ:「バズ部」「LIG」が語るブログマーケティングの極意(ihayato.書店)
3.ネタの蓄積
別にお笑いのネタではありません(笑)。自分たちにも役立つ情報という意味です。LIGブログはマーケティングのためだけではなく、自分たちのネタの蓄積にも役立っています。ブログは備忘録にすごくいい、と吉原ゴウさんも言っていました。
ウェブ制作会社の場合、業務に追われると情報の収集やトレンドの研究がおろそかになってしまいます。しかしそれでは一時的に売り上げは上がるものの、永久に自転車操業が続きます。つまり売り上げの構造が、請負業務に依存することになるのです。請負業務に依存するということは、自転車をこぎ続けなければ売り上げが立たないということです。
LIGさんの場合、ブログによる広告収入も売り上げの一部です。サイト内の広告枠を提供したり、アドセンスを導入したりしています。これもネタが蓄積されているからこそ成り立つ収益源です。ネタはインターネット上に残り、いつかまた検索エンジンで誰かに発見されるわけです。
またネタを蓄積することで、どのネタがユーザーにうけたか検証することができます。そして検証した結果は、次のブログ記事や新しい企画の仮説設定に使えます。あのネタはフェイスブックの「いいね!」が多かったから、つぎはこんな記事がうける、とか、この企画にニーズがある、といった感じです。
ネタの蓄積は、会社の基礎体力になるので、継続的にすべきでしょう。
≪まとめ≫
実は以前、吉原ゴウさんとは名刺交換していたにもかかわらず、そのことを忘れて、当ブログからぼくにアクセスしてくれました。これにはいろんな意味で驚きました^^;。でもブログを通じて新しいご縁が生まれるって、素敵ではないでしょうか。ビジネスありきではなく、まずはコミュニケーションツールとしてブログを活用することをオススメします。その使い方が「ファン」に受け入れられるはずだからです。
2013年12月13日
著者 ゆうすけ
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