地域の知財活動に役立つサイトまとめ
日本では、特許庁が知的財産(以下、「知財」)の取りまとめをしていますが、特許庁は経済産業省の管轄です。また、日本の各地には、経済産業省の機関である経済産業局というものがあります。
経済産業局は、全部で9つ(北海道、東北、関東、中部、近畿、中国、四国、九州、沖縄)あります。そして、各局がその地域の色を出して、知的財産の情報発信を行っています。
なぜなら、大都市と地方部間の産業集積度や活用環境などの地域要因としての格差(知的財産デバイド)を解消しようという取り組みが行われているからです。
そこで、特に個性的に知的財産の情報発信を行っている4つ(東北、四国、中国、九州)の経済産業局をご紹介します。知財の基本事項や地域の企業の知財活動を知るのに便利です。
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東北経済産業局
東北の中小企業の知財活動に関する情報発信を丁寧におこなっています(下記画像「とうほく知的財産いいねっと」引用)。
≪おすすめ≫
◎とうほく6県データ:各県をクリックすると、それぞれの知的財産活動方針や支援窓口のリンクが張られており、簡単に情報収集できます。
◎TOHOKU地域ブランド:各県の名産の写真をクリックすると、ブランド名(地域団体商標)の情報を調べられます。
四国経済産業局
四県のみだからといって四国の情報発信はあなどれません。基本事項をコンパクトにまとめてあります(下記画像「四国地域知的財産戦略本部」引用)。
≪おすすめ≫
◎特許便利帳:2016/4/20にリリースされました。1頁ずつ情報が整理されていて見やすいです。案内役の「ちょいパテ親父」のつぶやきもおもしろい。
中国経済産業局
ぼくが見たところ、知的財産の情報発信にすごく力を入れていると感じました。情報の質もよく、量も多いので、ここだけでもかなり参考になるでしょう(下記画像「中国地域知的財産戦略本部」引用)。
≪おすすめ≫
◎もうけの花道:知財を経営に活かした事例を動画で紹介しています。
◎もうけのビックリたまご:某ニュース番組のト・・・たまごに近いかもしれません。
◎もうけの落とし穴:知ってないと怖い知的財産のリスクをアニメで紹介しています。
九州経済産業局
熊本地震の影響により、この後どのように情報更新されていくかわかりませんが、九州の産業の底力をこちらでも拝見できます(下記画像「知財動画ちゃんねる」引用)。
≪おすすめ≫
◎九州イイモノがたり:九州の名産としてブランド名を商標登録した商品の紹介です。
◎知的財産権活用企業紹介動画:「知的財産活用事例集2016」に掲載された九州の企業の紹介です。
≪まとめ≫
知財活動の情報やノウハウは、資金力のある大企業やこれらが集中する首都圏に集約され、中堅以下の企業や首都圏以外の地域まで行き届いていないのが現状です。この課題を解消する施策の一つとしては、各経産局をはじめとするこまめな情報発信でしょう。
つまり、知財を身近な存在と感じさせ、知財活動を行わないことがリスクになることを、特に中堅企業は自覚する必要があるのではないでしょうか。痛い目を見てわかったときには手遅れだったとならないように、日頃から知財活動を会社経営に取り入れるのが得策です。
2016年4月25日
著者 ゆうすけ
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