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地域と企業をデザインで融合!杉が好きスギる「スギダラケ倶楽部」にインスパイア!

公開日: : 最終更新日:2015/09/14 ビジネスモデル, 教育論

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大人になって自由な時間が減ってしまったせいか、コンクリートジャングルの中で働いているせいか、子どものころと比べて自然に触れる機会が明らかに減ったのは、ぼくだけでしょうか。昔はセミとか平気でつかんでたのに、今はちょっとビビってます笑

パソコンやらスマホやら工業製品に囲まれて便利な世の中になったものの、何かと冷めてたり物事に関心が向かなかったり安定思考だったり、でもそんな時代だよねって割り切るのは、なんか寂しい気がします。古(いにしえ)のよさってやっぱりあるはず。

そんな人間としての、日本人として温もりや優しさを、この国の象徴ともいえる「杉」を使って取り戻しませんか?という課題に対して活動をしているのが「日本全国スギダラケ倶楽部」(通称:スギダラ)です。

photo credit: 20070910-IMG_2617-1.jpg via photopin (license)

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スギダラ誕生ストーリー

そこで先日(2015/9/11)、こすぎの大学で行われたスギダラの発起人の一人である若杉浩一さんのお話を聞きにいきました。正直言うと、はじめはスギダラのことも杉のことも関心がなかったんです。ぼくの興味は、デザイナーとしての若杉さんのご経験に興味があったからです。

ところが話がはじまると、どんどんと話に引き込まれていくのを感じたんです。というのも、若杉さんはデザイナーとして超一流で、企業人としての実績もハンパないものの、デザインの価値そのものに疑問を感じたそうなんです。

デザインって言葉の意味をぼく自身よくわかっていませんが、見たり聞いたりしたときにそれってなんかいいねって感じさせるのがデザインなのかなってイメージしています。具体的には、プロダクトだったり空間だったり、活動そのものだったり。

そんなデザインのあるべき姿を振り返ったところ、デザインはどんな人にとっても身近な存在であるべきだし、小難しいことではなくそのデザインに触れた人たちが幸せを感じるものであるべきだ、と若杉さんは考えたそうです。

そしてそう考えたときに、「杉」の存在に注目したといいます。自然の安らぎ、国内資源の有効活用、地域貢献など、現代の社会問題と「杉」がマッチングしたときに、「スギダラ」が産声をあげました。

続けることで価値となり経済が生まれ文化に発展

しかしそうはいっても当初から活動が順調だったわけではありません。現在の活動状況からは想像できないくらい、勤め先にも白い目で見られ、家族には誤解される始末。心が折れそうになったこともあったそうです。

でもかつてのバリバリ企業内デザイナーとしての活動以上に、地域の方々との触れ合いの中で生まれたちょっとしたデザインに対する愛着やその方々からの感謝がやりがいとなり、活動し続けてこられました。

みんなで取り組む、楽しむ、分かち合う、そんな志事人としてのあるべき姿を貫いた結果、徐々にスギダラの活動が共感され、企業とのコラボ企画や商品販売の事業化(SUGIFTなど)に結びついたといいます。

さらにこすぎの大学当日には、川崎市の三浦副市長も出席されていました。川崎市は宮崎県と杉の利活用における基本協定を結んでおり、三浦副市長もスギダラの活動を応援なさっているそうです。もはや文化活動といっても過言ではありません。

画像引用:SUGIFT

食えない仕事もしないと企業は発展しない

当日にはデザイナーとして働く傍ら、スギダラ事務局としても活動なさっている方ともお話したところ、現在は栃木県鹿沼市の町興し企画をメインで実行なさっているとお聞きしました。デザイナーという枠にとらわれない活動に熱意を感じました。

このように企業としては、営利的活動(食える仕事) ばかりではなく、未来的活動(食えない仕事)も必要だと若杉さんはおっしゃっていました。「食えない仕事」とは、すぐには利益にならないけど発展性のある仕組み作りなどを意味しています。

今回お聞きしたお話の中で一番参考になったのが、地域貢献のビジネス化です。かつて企業ががっちり抱え込んでいた人材や知識や経験を、社外へ提供すること(食えない仕事をすること)で、そこに新たな経済が生まれることを、若杉さんは体感されていたからだと思います。

さらにもう一つ印象的だったのが、企業人だからスギダラ活動に意味がある、というコメントです。企業と地域が力を合わせて新たな価値を人々に提供するには、企業にいながら社外活動をし、その想いを企業に伝えることだと。そこには目に見えない強い意思を感じました。

≪まとめ≫

講義ではスギダラの活動状況やコンセプトをスライドで沢山見せていただいてとても勉強になりました。具体的には、注目されている活動の一つに、無印良品の木育広場があります。これなんかも原点回帰って感じですよね。今の時代の子供たちが大人になったときに、その当時の大人たち何やってたんだよ!って言われないようにすべきでは?という問題定義が心に響いています。

画像引用:SlideShare

2015年9月13日

著者 ゆうすけ

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