ビジョナリ―ワードとは未来からの絵ハガキ 「未来は言葉でつくられる」
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最終更新日:2014/01/04
ネーミング開発
ネーミングを見ると、なんかワクワクしたり、なぜか突き動かされることってあると想うんです。食べ物だったら、まずはパッケージ見てみようかな~から入って、試食してみようかな~って食べて、気に入れば買っちゃおうかな~と財布の紐がゆるむ。これってただ単に食べ物がおいしいからだけではないはず。ネーミングから伝わる世界観が脳に伝わり、味覚にも影響しているとぼくは考えています。
「ビジョナリ―ワード(visionally word) 」を直訳すると「幻想的な言葉」になりますが、本書の中では「未来からの絵ハガキ」とたとえられています。つまりそれを見ただけで脳が反応して、食べたい、見たい、行きたいという想いを、現実的なものに変えてしまう力を持つ言葉。そんな「ビジョナリ―ワード」を過去の起業家たちはみなつくってイノベーションを起こしてきたといっても言い過ぎではありません。
・ビジョナリ―ワードの3つの条件
(1)解像度
(2)目的地までの距離
(3)風景の魅力 (p172)
簡単に言うと、ゴールをイメージしやすく((1)解像度が高い)、ゴールが現実的で((2)目的地までの距離が程よい)、ゴールからの景色がステキ((3)風景の魅力)なことがビジョナリワードの条件となりそうです。あったらいいなをよりリアルに感じられる言葉がビジョナリ―ワードとも言えそうです。
・ビジョナリ―ワードをつくる4ステップ
ステップ1:現状を疑う(本当にそう?)
ステップ2:未来を探る(もしも?)
ステップ3:言葉をつくる(つまり?)
ステップ4:計画をつくる(そのためには?) (p182~)
ステップ1では、常識をひっくり返してみるとポンポンとアイデアがでてきます。アイスはあったかいとだめなの?とか。
ステップ2では、ステップ1ででた疑問が現実になったらどうなるか(未来)を考える作業です。アイスは冷たいけど周りが熱々とか、電子レンジで温めたらアイスができるとか。
ステップ3では、ステップ2で考えた未来を名付ける作業です。例えば、周りが熱々なものとアイスとの組合せ(てんぷらアイス、アイスドーナツなど)、電子レンジで加熱が必要な名称とアイスとの組合せ(フローズンアイス、瞬間冷凍アイスなど)など、言葉を組み合わせると簡単にできます。
また本書では、呼び名を変える(例:アルバイト→キャスト)、ひっくり返す(例:胸を大きく見せるブラ→胸を小さく見せるブラ)、たとえる(例:アメーバのような経営=アメーバ経営)、ずらす(例:「テレビ」ゲーム→「ネット」ゲーム)、反対の組合せ(例:極道+先生=ごくせん)という方法を紹介しています。
ステップ4では、ステップ3でつくった言葉を実現させるための計画を逆算方式で立てる(バックキャスティング)方法をオススメしています。ビジョナリ―ワードの3つの条件でゴールが明確になっているはずなので、逆算方式でより実現度が増すというわけです。
≪ピッタリナまとめ≫
過去の偉大な起業家たちも言葉づくりからはじめました。なぜなら自分以外の誰かから共感を得るには、まず言葉で伝えるしかないからです。ビジョナリ―ワードとは未来予想図のゴールを指し示す方位磁石なのかもしれません。
2013年10月13日
著者 ゆうすけ
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