「サバイバル起業 本当に0からの歩み方」から学ぶ起業のための3つの心得
最近、ソーシャルメディアとか3Dプリンタとか話題で、昔よりも起業しやすい環境になったといわれています。ですが、これらはあくまでもツールで、起業する理由にはならないと思います。また起業そのものが目的になってしまっているように感じます。
起業ってなんなのか?起業ブームだからこそ今一度考えたいと思い、この本を読みました。著者の渡辺隆行氏は、東日本大震災で被災して職を失い、福島第一原発で避難して住まいを失った方です。
そんな渡辺氏の著書「サバイバル起業 本当に0からの歩み方」から学ぶ起業のための3つの心得を考えてみました。
・過去-現在-未来を結んだ線と自分の夢がつながるか
現在は、過去の積み重ねです。そして未来は、積み重ねた過去を起点に、現在から作られます。つまり過去と未来はつながっているということです。
どうすれば明日に繋がるのか?明日は何かが好転するのか? そんな状況で、また1から資金もコネクションもない状態での再出発は考える余地もありませんでした。 人を癒す技術は誰のためのものなのか?自分たちのスキルに疑問さえ浮かんでいました。 誰もみな、やってきたことのすべてには実は意味があり、その点と点が線にできるかどうかは自分自身にかかっている(p49)
もし過去と未来がつながらないとしたら、現在を起点にして、未来に向かっていくしかありません。今からやるしかない。でも、意識的に向かえば向かうほど、最短でイメージした未来にたどり着けるはずです。
そしてときどき過去を振り返って、未来に向かっていなければ、現在から方向修正すればいいわけです。
やってみないと、進んでみないと、何もはじまりません。それは起業のみならず全てに共通します。過去-現在-未来を結んだ線が夢につながりそうならば、迷わず進む価値があるはずです。
・冷静に点の位置と線の方向を見極めたい
そうはいっても、現在に予期せぬことが起きたら、過去と現在がつながらなくなるかもしれません。不安から逃げるために、自ら現在を変えてしまい、線の方向が変わってしまうこともあります。
人は切羽詰まった状況になると、正しいかどうか見極めきれずに取りあえず問題を解決しようと飛びついてしまいます。 そのうち、それが(正しい)という錯覚に陥ります。 そういう生き方をするうち、それに慣れて、道理を見失い目先のことしか見えなくなります。(p62)
例えば、起業をする理由が、金銭面で家族を守ることだとします。しかし努力してやり続けて、それでも結果が出ずに身銭がなくなったため、再就職する。
これが正しい選択かどうかは、そのときの状況を冷静に見極めてみないとなんとも言えません。
・自分が信じた道を進むのがベスト
一時的に後退しても、これが未来につながる前提ならば、正しい選択と言えるのではないでしょうか。そのときにあらためて自分を掘り下げる価値があります。
掘り下げとは、一つのスキルで補えないものを似通った技術で補完するものではなく、全く別のものと融合させて独創法に変えることです。 掘り下げたモノが増えれば、それはやがてあなたの「代名詞」に発展するものだと思います。(p138)
掘り下げるべきものが何なのか?それも過去にヒントがあるはずです。自分には関係のない全く別のものに興味を持つこと自体、珍しいからです。
潜在的に自分の経験やスキルとリンクする何かが未来を創ると思ったら、あとは信じて進むだけです。
≪まとめ≫
被災した状況を安易に想像することすら失礼にあたるかもしれません。しかしこのどん底から這い上がった実録を、自分なり置き換えることは大いに参考になると思います。
2013年7月2日
著書 ゆうすけ
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