アップル「iWatch」の行方は?世界中が騒ぐ商標登録の狙いを徹底分析!
過熱するアップルのiWatch騒動。商標登録を申請していたことが各国で発覚したため、製品リリースが近いのでは!?というウワサが先走っています。
そこでアップルがどのように商標登録を進めているのか?その狙いを含めて分析しました。
・ジャマイカに先回り申請して時間を稼いだ
MacRumorsのレポートによれば、ロシアの商標登録の申請書が公開されています。その真ん中あたりに、「03.12.2012」と「JM」と記載されています。「JM」はジャマイカの国コードです。
このことからアップルは、先立って2012年12月3日にジャマイカに商標登録を申請したと考えられます。
これはなぜかというと、一番先に「iWatch」の商標登録を申請した事実が欲しかったからだと思います。しかも誰にもばれないように。
ジャマイカには商標登録の申請内容を公開する仕組みがまだ整っていないようです。したがって商標登録を申請した事実がオープンされるまで時間がかかります。
このためアップルがジャマイカに申請した狙いは、時間を稼ぎたかった、と考えるのが一番しっくりします。
・時間を稼いで他社を刺激しないようにした
おわかりのとおり、日本に商標登録の申請をすると、1か月以内にそのことが公開されてしまいます。発展している国の特許庁には、商標登録の申請内容をウェブで公開する仕組みがちゃんと整っているからです。
しかし2012年12月3日にジャマイカだけじゃなく、日本にも申請できたはずです。あえてそれをせず時間を稼いだ理由は、他社を刺激したくなかったからではないでしょうか。
商標登録を申請した事実を他社がつかめば、アップルに先をこされないよう製品開発を加速するなど対抗してくると予想できます。
ちなみにアップルは「iPad」の商標権を巡って中国企業と争った経験もあるので、商標登録をかなり重要視しているはずです。
・時間差で申請して商標登録する裏ワザの実態
日本で「iWatch」の申請したのは6月3日です。これはジャマイカに申請してからちょうど6か月目にあたります。
このためアップルは日本にも2012年12月3日に申請したとみなされるルールを利用したと推測できます(パリ条約による優先権)。おそらく他の国でも同じだと思います。
つまり時間稼ぎをして他社を刺激しないようにしつつ、他社に「iWatch」の商標登録を先取りされないようにしたわけです。
2013/7/25追記
やはりアップルはパリ条約による優先権制度を理由した可能性が高くなりました。
まとめ
商標登録の申請のタイミングは、その製品がいつリリースされるか判断する材料の一つです。
逆に、製品をリリースするタイミングにあわせて、商標登録すべきとも言えます。これは会社の規模に関わらず重要なポイントです。
<参考>
アップル「iWatch」、最新の動きを商標と特許の申請からいち早く探る方法
アップルの「iWatch」が日本にも上陸!?-商標登録の申請が発覚!
2013年7月3日
著書 ゆうすけ
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