「伝え方が9割(佐々木圭一著)」から学んだ大切な3つのこと
弁理士という仕事をしていると、いろいろな方にお会いする機会があります。おかげさまで、はじめて弁理士に会ったとか、私のような活動をしている弁理士には会ったことがないといっていただくことが多いです。だからこそ仕事の内容や仕事に対する想いをちゃんと伝えなければならないものの、空回りしてしまうことも少なくありません。
そこで「伝え方が9割(佐々木圭一著)」を読んで感じたことや実践してみたいことを3つまとめました。
1 伝え方を鍛えるのに年齢は関係ない
著者の佐々木氏は今でこそコピーライターとして活躍していますが、昔は人と話すことが苦手なため、大学は理系に進みました。そのため大学卒業後は広告会社でコピーライターしては働くものの、結果を出せずに苦しい日々が続いたそうです。そこで誰よりも伝え方について研究した佐々木氏のコトバには説得力を感じました。
人生で重要なシーンで成否をわけることなのに、誰も鍛えていない(p26)
心を動かすコトバをつくれる。料理のレシピのように。(P36)
伝え方やコトバの技術を持っている人は、働いても成果を出せるのです。(p40)
私もそうですが、資格を持っている人ほど、知識でコミュニケーションをカバーしようとする傾向があります。そのためうまく伝わらないと、さらに知識で理論武装しがちです。知識を増やすことと同じように、伝え方を鍛えるべきではないでしょうか。
2 お願いする相手になりきって伝えること
お願いとは、わるくいえば相手を自分の思い通りに動かくことです。にもかかわらず、お願いするときは、自分の気持ちを押し付けてしまいがちです。なぜなら心に余裕がないからだと思います。だからこそ、お願いするときは以下のステップを思い出す冷静さが必要です。
「イエス」に変える3つのステップ(p63)
ステップ1 自分の頭の中をそのままコトバにしない
ステップ2 相手の頭の中を想像する
ステップ3 相手のメリットと一致するお願いをつくる
大切なことは、まず相手を第一に考えることではないでしょうか。身近な人なら、その人の性格や想いをちゃんと理解することからはじめるべきです。身近な人ではなければ、その人の仕事や立場を考えてあげることが必要です。
3 伝わるとは心を動かすこと
2008年のアメリカ大統領選でオバマ氏とマケイン氏が争ったときも、オバマ氏の政策ではなく想いがアメリカ国民の心を動かしました。伝えることの大切さは、物事の大小に関係ないということです。
いつかどこかで起こる、大勝負だけのために、コトバを磨くのではありません。たったいま、あなたの生きているこの瞬間を輝かせるために、人の心を揺さぶるコトバをしってほしいのです(p201~202)
人とのコミュニケーションは会話にしろメールにしろ、コトバは欠かせません。つまりコトバを制するものは、コミュニケーションを制するということではないでしょうか。
まとめ
伝え方をわかりやすく説明している本書は、年齢や経歴にかかわらず読む価値があります。一人でも多く伝え方を鍛えた人が増えれば、コミュニケーションがより楽しくなるでしょう。
著書 ゆうすけ
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