ネーミングがヒトに与える3つの影響
公開日:
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最終更新日:2013/09/06
ネーミング開発
ネーミングの具体例やネーミングの役割を踏まえて、モノ・サービス・情報のネーミングが人にどんな影響を与えているのか?
AIDAMの法則に照らして分析しました。
<影響1>最初の判断を与える
私たちがモノ・サービス・情報を得るとき、これらを得たいと思うか?をはじめに考えます。
例えばお腹が空いているとき、『ハンバーグ』という看板が目に入れば気になります。一方、お腹が空いていないときに『ハンバーグ』という看板が目に入っても気にはなりません。
しかし隣に『コーヒー』という看板があったらどうでしょうか?私たちは目線はコーヒーにうつってそちらの方が気になるはずです。
このようにネーミングは、モノ・サービス・情報のコンテンツに関係なく、そもそも得たいかどうか最初に判断する材料の一つです。そしてよいネーミングほど、私たちの注意を引き付けます。
<影響2>イメージをコントロールする
私たちの注意を引き付けたネーミングがその後どう影響してくるでしょうか?
例えば『ハンバーグ♪』の前に『ジューシー』と書かれていたら、あつあつの鉄板の上でお肉が美味しそうにジュージュー焼かれているイメージがします。
また『ハンバーグ♪』の前に『さっぱり』と書かれていたら、デミグラスソースではなく和風だいこんおろしソースかな?ってイメージするのが自然です。
これは私たちがハンバーグに興味や関心を抱き、イメージによって自ら欲求を高めていることになります。
また米コーネル大学で行った実験によると、ブロッコリーを『小さいなおいしいてっぺん』というネーミングにしたところ、子どもが残さずに食べるようになったとか、学校の食堂メニューの売り上げが99%増加した、という結果が出ています。
このようにネーミングは、私たちのイメージをコントロールしているといえます。
<影響3>記憶をたどる切っ掛けとなる
私たちの記憶はあいまいです。しかもすぐに忘れます。
私たちがものごとを長期的に記憶するとき、海馬が働きます。そしてそのものごとを呼び出すとき、ニューロンのネットワークを用います。したがってものごとを思い出そうとしても、ニューロンのネットワークが切れたり細くなったりしていると記憶を呼び起こすことができません。
一方、何度もものごとを思い出そうとすると、ネットワークが強化されるため、記憶が保持されます。
例えば『ジューシーハンバーグ』の前に、美味しくてお肉がふわッとしていることを表現する『うまふわ』を付けて、『うまふわジューシーハンバーグ』としたらいかがでしょうか。普段あまり見かけない『うまふわジューシー』が記憶する部分と判断します。
そして「ハンバーグといえば『うまふわジューシー』」と何度も記憶を辿ることにより、ニューロンのネットワークが強化され、記憶が保持します。
このようにネーミングは、記憶を辿る切っ掛けを私たちに与えています。
<参考サイト:http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2902616/9556095>
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