実は〇〇〇の登録商標です!有名すぎて意外と知らないジャンル別商品名22選
たくさんの人に商品を知ってもらうことが商品名の役割だけど、あまりに有名になりすぎるとその価値が薄れてしまうことがあります。それを防ぐには商標として登録するしかありません。つまり、その名称はうちが商標登録してるんで勝手に使わないでねって言えるわけです。一方で商標の管理に失敗すると一般化してしまいます。そうなるとビジネスにとっては悪影響です。ちゃんと登録して管理しましょう。
そこで、実は〇〇〇の登録商標なんだけど、有名すぎて意外と知らないジャンル別の商品名を22コ選んでまとめました。この中にはちゃんと管理しているため商標として価値を保っているものもあれば失敗したり権利を放棄したりして一般化している名称も含まれています。
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サービス
宅急便
ご存じ、クロネコヤマトのたっきゅうびん♪、で有名な「宅急便」。1995年(平成7年)に引っ越し業について商標登録されました。一般名称は”宅配便”で、佐川急便では「飛脚宅配便」というサービス名をつかっています。
<参考>クロネコヤマトの宅急便から学ぶライバルと差をつけるブログ運営理論
弾丸ツアー
日帰りとか車中泊とか短期スケジュールで旅をする意味でつかわれている「弾丸ツアー」はJTBの商品名です。2001年(平成13年)に商標登録されました。
着メロ
携帯電話の着信音を歌謡曲などメロディー で発信するサービスの名称です。2010年にオークションでビジュアルアーツが2550万円2000円で商標権を落札しました。落札当時からスマホの普及を見据えて普遍的な商標をゲットしたことはブランド戦略の一手といえます。
おもちゃ
ラジコン
リモコンで自動車やヘリコプターを動かすオモチャの名称「ラジコン」は老舗の増田屋コーポレーションが1956年(昭和31年)に商標登録しました。そのためタミヤなど他の会社は一般名称「ラジオコントロール(Radio Contro)」やその略称「RC」という表記をつかっています。
プラモデル
プラスチック製の組み立て用おもちゃ「プラモデル」。1960年(昭和35年)に商標登録され、1975年に日本プラスチックモデル工業協同組合へ「プラモデル」の商標権が移転されました。一般名称は“プラスチックモデルキット”。商標権は保持しているものの、一般名称と認知されているため、権利の効力がどれほど及ぶかなぞです。
ゆるキャラ
ご当地キャラクターの総称として知られている「ゆるキャラ」は、漫画家・エッセイストのみうらじゅん氏が考案したものです。2013年上半期ヒット商品ランキングのトップ10にも入りました。
<参考>「ゆる〇〇〇」が各業界で注目されている実態と由来の調査結果
電化製品
万歩計
1965年から日本で発売された山佐時計計器の「万歩計」。1984年(昭和59年)に商標登録されました。一般名称は“歩数計”。
ウォシュレット
日本初の画期的な商品の一つでいまではトイレに欠かせないアイテム「ウォシュレット」はTOTOの商品名です。1984年(昭和59年)に商標登録されました。
<参考>『ウォシュレット』の由来/意味
被服・素材
マジックテープ
1960年から発売されたクラレの「マジックテープ」。1978年(昭和53年)に商標登録されました。一般名称は“面ファスナー”。ちなみに「マジックテープ」は、わっか状のループと釣り針状のフックを表面に敷き詰めた面同士をくっつけるとループにフックが引っかかるため貼りつく構造です。
テフロン
1946年に製品化された米デュポン社の「テフロン」。1958年(昭和33年)に商標登録されました。ポリテトラフルオロエチレンというフッ素樹脂をつかった商品は一般的に「テフロン製、テフロン素材」とよばれています。
カッター
1918年(大正7年)にスポーツブランド「ミズノ(美津濃)」がつくったスポーツ用シャツ「カッター」。1948年(昭和21年)に商標登録されました。西本ではワイシャツの代名詞として知られています。由来は、美津濃の創業者・水野利八が「勝った」をもじったといわれています。
日用品
プチプチ
モノを包む緩衝材として川上産業が1967年に開発した「プチプチ」。1994年(平成6年)に商標登録されました。
<参考>『プチプチ』の由来/意味
バンドエイド
1920年にジョンソン・エンド・ジョンソンの社員が考案した「バンドエイド」。1982年(昭和57年)に商標登録されました。ちなみに「カットバン」は1988年(昭和63年)に祐徳薬品工業が商標登録した商品名です。
<参考>『バンドエイド』の由来/意味-愛妻家が生んだヒット商品
サランラップ
1952年(昭和27年)に旭化成と米ダウケミカル社が提携して日本で発売されはじめた「サランラップ」。1965年(昭和40年)に商標登録されました。
<参考>『サランラップ』の由来/意味-主婦二人の思い付きがヒット!
タッパー
1963年から日本で発売された米タッパーウェア社の「タッパー」。1966年(昭和41年)に商標登録されました。食事の残り物などを入れるプラスチック容器の代名詞として知られています。
ポリバケツ
1957年に発売開始された積水テクノ成型の「ポリバケツ」。1961年(昭和36年)に商標登録されました。生ごみ用のゴミ箱の代名詞として知られています。
コロコロ
粘着シートがロール状に巻かれた筒を”コロコロ”回してちりやほこりを取る二トムズの「コロコロ」。1987年(昭和62年)に商標登録されました。
文房具
ボンド
1952年に発売開始されコニシの「ボンド」。1953年(昭和28年)に商標登録されました。”木工用ボンド”といえば接着剤の代名詞として知られています。しかしコニシでは一般名称化しないように自社サイトで登録商標を管理しています。
セロテープ
1948年に発売開始されたニチバンの「セロテープ」。1959年(昭和34年)に商標登録されました。一般名称は“セロハンテープ”。当初セロハンテープというものはニチバン製のものしかなかったため、「セロテープ」も一般名称化しかけました。
食品
味の素
グルタミン酸をつかった調味料「味の素」は1952年(昭和27年)に商標登録されました。一般名称は”うま味調味料”です。
<参考>『味の素』の由来/意味
キシリト-ル
1997年に発売開始されたロッテのキシリトール。ところが商標登録は1984年(昭和59年)にされていました。このころから研究開発されていたのかもしれません。
うどんすき
野菜やお肉と一緒に鍋の中でうどんを茹でて食べる老舗・美々卯の「うどんすき」。すでに一般名称化していると裁判で判事されたももの商標登録としては生きています。
≪まとめ≫
会社の利益を守るためには商標登録の管理は重要です。登録すればいいってわけでもないんです。もちろんこれらの事例からわかるとおり、一般化するくらい有名になるには長い年月と努力が必要です。しかし経済が低迷している時代だからこそ名称でユーザーに商品価値を伝えることが大切です。
2014年2月15日
著者 ゆうすけ
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