「ゆる〇〇〇」が各業界で注目されている実態と由来の調査結果
一昔前から「ゆるい」というコトバがよく使われるようになりました。もともとの意味は、張りや締めのぐあいが弱い、ぴったりとしない、激しくない、勢いが弱い、ゆっくりしている、気持ちがたるんでいる、などです。
そこで「ゆるい」というコトバからできた新たなコトバ「ゆる〇〇〇」が各業界で注目されている実態と由来の調査結果をまとめました。
・ゆるキャラ
「ゆるキャラ」とは、「ゆるいマスコットキャラクター」の略語。主に町おこしのために各地域が考えたマスコットキャラクターのことを示すネーミングです。
漫画家・エッセイストのみうらじゅん氏が考案したものです。2013年上半期ヒット商品ランキングのトップ10にも入りました。
2009年12月にはナムコから「ゆるキャラメル」が発売されています。全国ご当地のゆるキャラをモチーフにしたキャラメルです。
・ゆるキャリ
「ゆるキャリ」とは、自分が大切にする趣味や交友関係を謳歌しながらマイペースで働く、ゆるやかなキャリアの女性の通称。エッセイストの葉石かおり氏が考案したものです。
葉石氏はもともとは雑誌記者としてバリバリ働く「バリキャリ」だったが、体調を崩したり上司とあわなかったりしたため、自分の人生を大切にしようという思いが強くなったそうです。
「ゆるキャリ」になるには、仕事でのアウトプットとプライベートでのインプットとのバランスがとれていることが大切です。なぜなら「ゆるキャリ」は、自分自身が商品だからです。
・ゆるロボ
「ゆるロボ」とは、ゆるロボ開発所がつくったスマホ用アプリのキャラクターのネーミングです。
アプリのネーミングは「ゆるロボ製作所ふぃーばー」。下町にある「ゆるロボ製作所」で「ゆるロボ」を自ら開発するゲームです。2013年6月時点で、累計100万ダウンロードを突破しました。
アシスタントの「ねじ子」と一緒に、動物などをモチーフにした「ゆるロボ」をつくって集荷し、世界一のロボット製作所にするゲーム性に人気があるようです。
・ゆるベジ
「ゆるベジ」とは、ついつい食べすぎてしまう動物性食品や砂糖などを意識して減らし、お野菜やお豆などの不足しがちなものを積極的に取るための料理のネーミングです。ゆるベジ料理研究家の浅倉ユキ氏が考案したものです。
「ゆるベジ」の「ベジ」は、「ベジライフ」の略語です。つまり完全な菜食主義(ベジタリアン)の生活を意味します。しかしストイックに菜食主義を貫く必要はないことを「ゆる」というコトバで補っています。
・ゆる薬膳
自分の体調や体質にあわせて必要な食べ方をする、つまり考えて食べることが大切という思想が「ゆる薬膳」の本質です。薬膳アテンダントの池田陽子氏が考案したものです。
コンスタントに食べるためなら、外食でもコンビニでもOKだといいます。缶詰やスープなど、無精者でもできるゆるい薬膳生活を提案しています。
まとめ
「ゆる〇〇〇」というネーミングから感じるイメージは、どれも「ゆるさ」がある点で共通していました。押しつけ感がないため、ユーザーから共感をえやすい効果があると思います。
2013年6月27日
著書 ゆうすけ
関連記事
-
ネジだってブランドが大事でしょ!商品名で差別化する工具メーカーの戦略
工具の商品名なんて誰も見てないでしょ!とあきらめたらおしまいです。商品が地味で似たり寄ったり
-
地名+業界内で普通に使われる一般名称のネーミングを商標登録するのは難しい
ネーミングを検討するとき、地名は有効なキーワードです。なぜならその地域の会社や商品を検索する
-
ネーミングにヒトの感覚を刺激するキーワードをつかうとヒット商品になりやすい!
思わず見てしまう、買ってしまう、気になってしょうがない、忘れられない、〇〇〇といえばあれ!み
-
人気のお土産「カリカリまだある?」に学ぶ、ヒットの条件とネーミングの効果
「地域発ヒット商品のデザイン」でぼくが書いたコラムでも事例として取り上げた北海道土産で人気の
-
世界のホンダもやってた!ネーミングと商標登録を同時に検討するメリットとしないデメリット
ぼくはネーミングと商標登録を同時に検討することに意義があると考えているので、これらについて日