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従業員の幸せを追求して売上をのばす地方飲食店から学ぶ非効率経営の真意

公開日: : 最終更新日:2014/02/14 ビジネスモデル

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正直、今まで知りませんでした、こんな素敵なファミレスがあるなんて。主に茨城を中心に60店舗以上展開している「ばんどう太郎」。正確にいうと、「家族レストラン」。これもブランド戦略の一環でしょう。そしてとにかく従業員が楽しく働ける環境を作り上げ、それがお客様の喜びにつながり人気店になったようです。 

そこでカンブリア宮殿で紹介された、従業員の幸せを追求して売上をのばす地方飲食店「ばんどう太郎」から学ぶ非効率経営の真意をまとめました。

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高価格でも人気を維持できる3つの秘密

1.3世代が満足できるサービス
  • 女将がクオリティの高いサービスを提供する。きめ細かさが高評価。食事のお持ち帰りのパッケージングにも対応。駐車場からのお客様の誘導も行っている。時間制限なしだし、活発な子供もウェルカム。
2.手を抜かない厨房の見える化
  • オープンキッチンで手作り料理(冷凍ではない)。厨房にいる従業員数は通常の飲食店の2倍。機械はほとんど使わず、野菜のカットや天ぷらのみならず、精米も日々手作業で行っている。精米のぬかは、ぬか床に継ぎ足す。これにより自家製のぬか漬けを提供している。
3.家族のイベントもOK
  • 孫がおじいちゃんの誕生会を手作りケーキでお祝いできるような自由っぷりがウケている。親御さんにとっては自宅ではなかなかできないケーキ作りを体験させることができる。現場からアイデアを収集している。つまり従業員がお客様のことを一生懸命考えている。

非効率大歓迎の経営方針と青谷社長の思想 

  • 大手企業には絶対に真似できない非効率経営。回転率は考えない。お客様のため以外の効率化は求めない。お客様にお得感を提供している。
  • お客様にとって居心地がよい建屋に設計する。つまりお客様がリラックスできるスキをつくる。
  • パートさんを労うイベントを年1回開催している。そこでは店長がお酌したり従業員が歌ったりして盛り上げる。
  • 社長としての威厳も保っており、サービスや真心への追求を厳しく従業員にしつけている。たとえば従業員が初給料をもらったら親御さんに挨拶させにいっている。これにより従業員があらためて親のありがたみを実感でき、それがまたいいサービスを生む原動力となっている。 

従業員の幸せを追求して経営難からの脱却 

  • しかし一時は利益を追求し過ぎて従業員に厳しくし、離れていってしまった。青谷社長自身も店舗経営を常に試行錯誤するかたわら、奥さんと二人でいなくなった従業員がやるべき皿洗いや清掃を夜間にやっていた。
  • あるときふと、従業員にやさしくないから辞めていくことに気づいた。そのため利益ではなく従業員の幸せを追求する経営方針に大転換。それ以降、従業員との距離も近づいた。
  • 従業員の休憩所のみならず温水トイレへの変更にも着手。またアンケートで褒められた従業員や直接店長が褒めたい従業員を表彰するわかりやすい評価制度を導入した。これにより従業員がよりいきいき働ける環境になった。
  • さらに高品質のサービスを提供するために「女将さん制度」を導入。“女将さん”と名付けることで、丁寧な接客をしなければならないという自覚を持たせる効果あり。これらの従業員にとってお客様のみならず全ての人が“親”であり、サービスは“親孝行”と考えている。
  • 究極は、従業員の意見(何を望んでいるか?)を吸い上げることだった。従業員から社長への怒りを聞いた時に、申し訳なさを感じた。 

食材を提供する地元業者や地元企業の経営者との不快つながり

  • 取引している地元業者も仲間であり、「世話人会」を定期的に開催。なぜなら全ての人のおかげでばんどう太郎がなりたっているから。そのため相場より高い食材でも契約し続けて、業者も精一杯の品質維持を心掛けている。
  • 運送業者も相場より高いところと契約。つまり“地産地消”を徹底している。それは青谷社長の生い立ちが地元密着だったため、その想いは強い。
  • 「坂東塾」では2代目3代目の地元企業の経営者を集めて勉強会を開催している。そこでは青谷社長の思想を他の経営者に伝え続けている。その思想は“従業員の幸せ”が骨格であり、受講者の心に響いている。

≪まとめ≫

そうはいっても利益を出さなければならない会社経営にとって、従業員への配慮が重荷になったら本末転倒です。でも青谷社長は従業員がいきいき働くことこそ会社経営の基盤であることが腑に落ちているんだと思います。優しくすることは甘やかすこととは異なり、“人への愛情”が欠けていることについて厳しく接する社長の姿がまた従業員のやる気や恩返しの精神を養うことができているのではないでしょうか。 

2014年2月13日

著者 ゆうすけ

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