東京オリンピック特需を狙ったネーミングを付ける前に見ておくべきリスト
東京オリンピックの盛り上がりに便乗して、オリンピック関連のネーミングやロゴをつけたいところですが、その前にちょっと待ってください。JOC(日本オリンピック委員会)から商標を勝手に使わないこと!というお達しが出ているからです。
そして先日、JOCのみならずIOC(国際オリンピック委員会)や東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員が持つ、オリンピックに関連する商標登録のリストが、特許庁から公開されました。
ここまでされると知らなかったでは済まされない
IOC、JOC、招致委員会による主なオリンピック関連商標の出願・登録状況一覧<PDF 184KB> ※2013年10月25日時点
リストには、19個の商標があげられています。文字のみの商標、文字とロゴの組み合わせの商標、ロゴのみの商標などいろいろあります。つまりネーミングだけではなく、ロゴの使用も注意しなければなりません。
特許庁は、商標権の侵害についても注意をうながしています。
商標法上、登録商標と同一又は類似の商標を、商標登録において指定した商品・役務と同一又は類似の商品又は役務について、登録商標権者に無断で使用すると、商標権の侵害となります。
つまりリストに上がっているのと似たネーミングやロゴを使ったら、商標権の侵害ですよ~、ということを堂々と言っています。ここまで明文化されると、知らなかったでは済まないでしょう。
文字の使い方は要注意
とくに「がんばれ!ニッポン!」や「TOKYO 2020」の使い方は注意すべきです。
なぜなら「すべての指定商品・指定役務の分類について登録」されているからです。つまりどんな商売であろうと、うっかり「がんばれ!ニッポン!」とか「TOKYO 2020」を使うと、JOCから人のネーミングやロゴを勝手に使うな!と怒られてしまうからです。
厳密に言えば、「TOKYO 2020」の文字のみの商標は審査中です。だからこの審査の結果、登録されなければ、「TOKYO 2020」を使える可能性はあります。
しかし花柄模様と「TOKYO 2020」とを組み合わせた商標は登録されているし、不正競争防止法の観点から言えば、使う前にちゃんと検討すべきです。東京オリンピックのムードが高まれば高まるほど、「TOKYO 2020」の文字をみれば、誰もがJOCやIOCの管轄だろうと勘違いしてしまうからです。
≪ピッタリナまとめ≫
今回公開されたリストは、商標登録の動きがあったら更新されるようです。まだ7年も先のため忘れそうですが、東京オリンピック特需を狙ったネーミングを付ける前にぜひ見ておくことをオススメします。
2013年10月29日
著者 ゆうすけ
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