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グローバル!弁理士の国際会議の参加レポート APAA2013 in Hanoi

公開日: : 最終更新日:2014/11/15 弁理士, 弁理士キャリア ,

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10月19日(土)から22日(火)までハノイで行われたアジア弁理士協会(APAA)の会議に参加しました。今回初参加のため、右も左もわからない状態で行きましたが、なんとか無事に帰国することができました。

同世代の日本人弁理士の方々とお話したところ、初参加のときはみんな緊張のため何をしたいいかわからなかったと言っていました。異国の地で共通言語が英語というハードルはそれなりに高いわけです。

そこで今後APAAの会議に初参加される方に少しでも役立つ現地状況をレポートにまとめました。

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初日の移動とパーティーで心に余裕なし

ぼくが日本(成田)を出国したのが10月19日(土)日本時間で10時、ハノイに入国したのが現地時間で14時頃。そしてホテルに着いたのが15時頃でした。※日本との時差は2時間

自宅から約8時間の移動。とりあえずゆっくりしたいところでしたが、17時からAPAA初参加者の歓迎会。そのためホテルに着いてはじめにしたことは、スーツとワイシャツのアイロンがけでした。

ホテルから会場までシャトルバスが15分起きに出ていましたが、乗り遅れたためタクシーで移動。約10分で会場に到着。会場外の窓口で受け付けをすませ、ギリギリ17時に歓迎会会場に到着。

歓迎会は立食形式。スライドでAPAAの紹介などがされた後に乾杯。その後怒涛の自己紹介ラッシュ。そこら中で名刺交換がはじまりました。ぼくもキョロキョロしながら暇そうな弁理士を探しては名刺交換を試みたわけです。

歓迎会というから初参加者によるスピーチとかあるのかなって思っていたけど、そんなものは全くありませんでした。っていうか、ぼくが名刺交換した人のほとんどが初参加者ではなかったのです。つまりここはすでにビジネスの場になっていると理解しました。

その後18時から、大きな講演会場(着席形式)でオープニングセレモニーがスタート。APAA会長の挨拶、ハノイの民族楽器の演奏やダンス、ベトナム歌手による一曲などが披露されました。ここではただ見ているだけといった感じです。一時の休息でした。

そして19時からウェルカムパーティーのスタート。ビュッフェ・立食形式で飲み食いしながら各国の弁理士とコミュニケーションする場です。約1000人以上が大広間に集まるため、すごい人数です。

運良く気立てのいいオーストラリア人と意気投合し、彼にアジア人や南米人など友人を紹介してもらえたため、パーティーを楽しく過ごすことができました。紹介でもしてもらわない限り、まるでナンパのように唐突に話しかけに行かなくてはなりません。外国人は日本人よりフランクなので初対面でも抵抗はないようですが、その分英語力は必要です。

約21時にパーティーが終了し、その後ホスピタリティースイートという名の二次会が別のホテルで行われましたが、ぼくはホテルに戻りました。初日の移動とパーティー疲れで行く気力がなかったからです。なおホスピタリティースイートとは、楽しくお酒を飲みながら自己紹介などする場としてみんな活用しています。

常設委員会のミーティングはオブザーバーとして行く価値あり

二日目は午前中から常設委員会のミーティングです。常設委員会とは、特許、意匠、商標、著作権など各国の知的財産権制度についてディスカッションする場です。当日までに各国からディスカッションテーマに対するレポートが提出されます。

そこでぼくは、特許・商標・著作権に出席しました。特許のテーマは「進歩性」、商標のテーマは「先願主義・先使用主義」、著作権のテーマは「電子書籍」です。

個人的に興味深かったのは著作権です。ディスカッションの事前レポートのお題は、「ユーザーか権利者により購入されたオリジナルデータは、他のユーザーか権利者に譲ったり売ったりするのを許可すべきか?」と、「グーグルブックスのような書籍のオンラインデータベースを認める法改正はすべきか?」ともの。難しい内容なので詳細は省きますが、どの国も著作権はベルヌ条約という国際的なルールに則っている為、各国の法律改正への考え方や著作物の運用の仕方など参考にできます。

午後はワークショップが行われました。テーマは2つ。1つ目は「ヨーロッパの統一特許制度」、2つ目は「アメリカ特許の実務」です。ワークショップといっても、各自が何かするのではなく、プレゼンターのプレゼンに対して質疑応答するというものです。

ちなみにミーティングやワークショップは参加自由なため、9割以上の弁理士はアポイントによる営業活動など会場のラウンジでしていました。

エクスカーションで異文化コミュニケーション

三日目はエクスカーション(観光)です。APAA発足の主旨に基づいて開催されているのでしょうか。観光先は、10個くらいの中から事前に選択して申し込みます。世界遺産からハノイの市内観光までいろいろあるため迷います。

選択のポイントは、集合時間と終了時間です。今回のエクスカーションで最も拘束時間が長かったのは、世界遺産のハロン湾コースで、5時半集合、18時終了というハードスケジュール。一方、市内観光は8時集合、15時終了というライトスケジュール。そこでぼくは二日間の疲れを想定して、ライトな市内観光を選択しました。

市内観光は、ベトナム初代のホーチミン主席が眠るホーチミン廟・大統領宮殿を見学し、ベトナム料理屋で昼食をとり、旧市街地とホアンキエム湖を散歩するコースでした。もちろんお決まりのお土産ショップにも連れて行かれました。

印象的だったのは、欧米人とアジア人との観光への意識です。欧米人は基本的に観光を楽しみ、名刺交換やビジネスの話は積極的にしませんでした。一方アジア人は、はじめに名刺交換を行って、様子を伺いつつビジネスの話をして、その後は気が向いたら雑談をするという感じでした。

国によってコミュニケーションの仕方も考えるべきと痛感しました。まずはパーソナルな考え方やプライベートなネタから入ると、ビジネスにもつながりやすいかもしれません。所詮は人ですから、軽いネタから入るのが自然です。

フェアウェルバンケットで最後の晩餐を楽しむ

四日目は、午後からアジア諸国の知的財産権の活動状況を報告し合うフォーラムが行われました(午前は理事会だったのでホテルで仕事していました。)。フォーラムの前半は二日目に行われた各法域のミーティング報告、後半は出願状況や審査状況などの報告です。

フォーラムは17時で終了のため、一度ホテルに戻り、バンケットが開始する19時に間に合うように18時半ごろ再び会場へ移動しました。バンケットは着席形式のため、座る位置が大切です。というのも、約2時間同じ人たちといなければならないため、気まずい空気だと苦痛だからです。

ぼくはかなり席を吟味した結果、日本人がいて、かつ明るそうなアジア人が隣になる席を選びました。予想通り、日本人の弁理士とは事前に顔見知りだったため、より安心感がありました。また隣は香港人の弁理士で、日本と香港のスマホ事情など会話がはずんで楽しかったです。ちなみに逆隣には、ファミリーで参加しているスリランカ人のマダムが座ってきた為、会話には気をつかいました(笑)。

会場には100テーブル以上が並び、そのほとんどが予約席となっていました。おそらく各国の代理人同士あらかじめアポイントをとってバンケットでディナーしようという話がされていたのではないかと予想しています。

バンケットは19時から22時までですが、21時を過ぎたあたりからみんな次第に席を立ちはじめ、自由行動の開始です。というのも、このバンケットが最後になるかもしれないため、また会いたい弁理士とは最後に挨拶をしておきたいわけです。

しかし1000人以上もいる大会場の中から会いたい人を探すのはかなり大変です。ぼくも初日に会ったオーストラリア人と台湾人にはもう一度挨拶したかったので探したところ、幸運にも会うことができました。お互いほろ酔い状態なので、写真撮影など軽いノリでできました。

そして最終日のホスピタリティースイートにもノリで参加。22時からはじまり、生バンドの演奏がありもはやクラブ状態。音がうるさいので大声で話さなければ聞こえない状態です。さらに酔っ払うので、ここではビジネスの話よりプライベートの話のほうが俄然盛り上がりました。

しまいには踊り始める外国人が出てきて、負けじとサムライ魂を見せました。そして踊り切った者同士、互いに健闘をたたえ、最後にハグして解散しました。ダンスと音楽は仲良くなる万国共通のツールだとあらためて実感しました。

≪ピッタリナまとめ≫

今回のAPAAで、国際会議に初デビューすることができました。海外には学生のころからバックパックで旅行経験があったため抵抗はないものの、仕事で行くのは初めてなので荷物から心構えまで全て違い、はじめは慣れるまで時間がかかりました。しかし想像以上にフランクな会で、国際交流の場としてとても有意義と感じました。

一方、個人的な課題としては、英語力の向上と事前アポイントの獲得です。英語力は、ヒアリングの練習とビジネス上のキーワードの暗記に力を入れれば、よりスムーズにコミュニケーションできるはずです。また事前アポイントの取得は、既存顧客と新規顧客とを分けて考え、何かしらの手土産なども必要に応じて用意すべきでしょう。

総じて、貴重な体験を楽しむことができました。2014年はペナン島で行われます。まだ行けるかわかりませんが、ハノイ以上に楽しめるよう日々努力して成長したいと考えています。

2013年10月28日

著者 ゆうすけ

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