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ネーミングのロゴに困ったとき参考になる5つのデザインパターンと事例

公開日: : 最終更新日:2014/01/04 ネーミング開発

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photo credit: captcreate via photopin cc

ようやく決まったネーミング!そのまま使うのも味気ない。。。そうだ、ロゴにしょう!と思っても、どんなデザインにすべきか、悩ましいところです。

そこでネーミング(主に社名)とロゴの関係を研究しました。

結論として、多くの会社が社名の由来や理念をベースにロゴをデザインしていることがわかりました。

というわけで、ネーミングのロゴに困ったとき参考になる5つのデザインパターンと事例をご紹介します。

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パターン1 「1文字抜き出してロゴにする」


・「TOYOTA」の「T」をロゴにして信頼感を表現 

トヨタ自動社のロゴは、「TOYOTA」の「T」を表しています。全部で3つの楕円でできており、そのうちヨコ2つの楕円の中心を、タテ1つの楕円が通っています。これによりお客さまの心とトヨタの車づくりへの想いを一体にした信頼感を表現しています。

そもそもトヨタ自動車は、豊田佐吉(とよださきち)が1926年に設立した豊田自動織機(とよだどうしょっき)の自動車製作部門がスピンアウトして創業されました。だから初期の自動車に使われていたロゴは「TOYODA(とよだ)」だったんです。

しかし1936年に宣伝をかねて「TOYODA」の新ロゴを懸賞募集した結果、「トヨタ」を円で囲ったロゴが採用されました。その理由は、デザインがスマート画数が縁起のいい8画個人名からの脱却などです。

これにより自動車のロゴが「TOYODA」から「トヨタ」に変わり、翌1937年に「トヨタ自動車」が設立されました。

・その他

・アシックス (「a」を抜き出してロゴ)

・パイロット(「P」を抜き出してロゴ

・小林製薬(「小」を抜き出してロゴ)

パターン2 「象徴となる文字を強調する」


・「Canon」の「C」で日本の書の魅力を表現

「Canon」のロゴは、筆書きしたようなデザインです。これは会社の信仰深さを表現したようです。ニューヨーク近代美術館に展示されたりもしました。

もともと「Canon」は1933年に「精機光学研究所」という屋号で創業されました。そして当時の試作機第1号のネーミングが「KWANON(観音)」でした。

なぜ「KWANON(観音)」にしたかというと、観音菩薩の慈悲と、世界一のカメラをつくりたいという想いを込めたから。

その後1935年に「Canon(キヤノン)」に社名を変更しました。もともと「canon」には「模範、基準、聖典」など信仰的な意味があり、また「KWANON(観音)」に響きが似ていたというのが由来です。

ちなみに発音は「キャノン」ですが、カタカナで書くときは「キヤノン」です。小さい「ャ」だと空白部分ができてしまうため、全体のバランスを考えて大きい「ヤ」にしました。

 ・その他

・資生堂(Sを強調)

パターン3 「自体を活用して別の絵を表現する」


「DeNA」の「D」で笑顔マークを表現

ディー・エヌ・エーは1999年に南場智子氏によって創業されました。そして2013年にロゴを変更。新しいロゴには「Delight(デイライト:喜び・楽しみ)」と「Impact the world(世界規模のインパクトを創出)」という想いが込められています。

またロゴの「:D」は、向きをかえると笑顔のマークになり、手書き風にあらわすことで価値あるサービスを創造し、世界中の人々に親しんでもらいたいという願いが込められています。

ちなみに「DeNA」の由来は、遺伝子「DNA」とeコマースの「e」とを組み合せた造語で、eコマースの新しい遺伝子を世の中に広めていくというものです。

 ・その他 

・イオン(「E」でエターナルリングを表現)

・味の素(Aで∞(無限大)を表現)

・フェデックス(「E」「X」で「→(矢印)」を表現)

パターン4 「違う記号に置き換える」


・「丸井丸井」→電話番号「0101」→「〇I〇I」 

マルイは、創業者の青井忠治がもともと勤めていた「丸ニ商会」からのれん分けして設立されました。その後1935年に「丸井」に変更しました。

「丸井」の由来は、当時「丸」に自分の氏や名をつけると商売が繁盛するというジンクスがあったことから、創業者・青井の「井」を組み合せたというものです。だから当初のロゴも、〇の中に「井」を入れたものでした。

その後1973年に、丸井全店の電話番号を「0101」にするキャンペーンが行われました。これには「丸井(まるい)」と「01」とをひっかけて、ダイヤルを「まるいまるい(0101)」にしよう!という狙いがありました。

 ・その他 

・オメガ(「Ω」の記号に置き換え)

パターン5 「文字同士をつなげて一体感を出す」


・「KOKUYO」は躍動感とお客さまとの絆を表現

1905年に創業した「国誉(こくよ)」は、「国の光、誉(ほまれ)になる」という意味の漢字を社名につかっていました。その後1961年に現在のカタカナの「コクヨ」に変更されました。

現在のロゴは、2005年の創業100周年の節目として作られました。柔らかい曲線で「先進、独自、活気」を表現しています。また文字と文字をつなげることで、躍動感、お客さまとの絆、グルーブ全体の絆を表現しています。

ちなみに2004年に発信したコクヨのブランドメッセージは「ひらめき・はかどり・ここちよさ」です。ユーザーの「Knowledg Work(知的活動)」に対して、「ひらめき(=創造性)」、「はかどり(=効率性)」、「ここちよさ(=快適性)」という価値を提供し続けたいという姿勢を表現したものです。

 ・その他

・グリコ

≪ピッタリナまとめ≫

ロゴのデザインに悩んだら、ネーミングのコンセプトを振り返ることをオススメします。ネーミングとロゴのストーリーがつながると共感を得やすいからです。

またロゴは時代によって変えられますが、ネーミングはそう簡単に変えられません。そのためまずはネーミングに力をいれるといいと思います。

ちなみにロゴも商標登録したほうが無難です。⇒ 商標登録は文字ですべきか?ロゴですべきか?の判断フローチャート

<参考>

思わず話したくなる ロゴの秘密

2013年7月26日

著書 ゆうすけ

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