アップル「iWatch」、最新の動きを商標と特許の申請からいち早く探る方法
世界中が注目しているアップルiOS搭載の腕時計型デバイス「iWatch」。その実態はベールに包まれています。しかしアップルがロシアで「iWatch」の商標登録を申請したと、5日にIzvestia(イズベスチヤ)が報じました。またこの内容を、MacRumorsがレポートしています。
そこで噂の「iWatch」について、アップルの最新の動きを商標と特許の申請から探る方法をまとめました。
●はじめはジャマイカに商標登録して時間稼ぎしていた
まずアップルは、2012年12月3日にジャマイカで「iWatch」の商標登録を申請したようです。そしてジャマイカに商標登録を申請した日(2012年12月3日)を活かして、ロシアに商標登録を申請しました。これによりロシアでも2012年12月3日に商標登録を申請したとみなされます。
なぜこんなことをするかというと、ジャマイカやトリニダード・ドバゴなどカリブ海の国々では、商標登録の申請内容をオンラインで簡単に見られないからです。アメリカ、EU、ロシア、日本、中国、韓国など先進国では、商標登録の申請内容をオンラインで誰でも見られます。
アップルの動きは世界中が注目しているため、商標登録の申請も時間稼ぎしているんだと思います。時間稼ぎできるのは最大6か月。つまりロシアに直接申請していたら、数か月前にこの事実が発覚していたかもしれません。
アップルは電子機器類と時計類で「iWatch」のネーミングを独占する動きが読み取れます。しかしロシアでは他社が時計類で「iWatch」を申請したところ、登録できなかったようです。どの国でどのような内容で登録されるかは審査次第です。
ちなみに日本、中国、韓国でも「iWatch」の商標登録が申請されていますが、アップルとの関係はわかりません(2013年6月8日時点)。アップルはダミー会社をつかって商標登録の申請などしたことがあるとのウワサです。
●特許の申請は2011年にアメリカでしていた
商標より先に、アップルは今年の2月に「iWatch」の特許を申請したとAppleinsiderが報じています。
特許は商標登録と違い、アメリカに2011年8月17日に申請されました。そして今年の2月21日に特許申請の内容が、アメリカの特許庁から公開されましたAppleinsiderはこの特許の内容をレポートしています。
最も特徴的なのは、腕や他の部分に簡単に巻けるスラップブレスレッドのような本体です。スラップブラスレットとは、真っ直ぐ伸ばすと反り返って板状になり、腕にペシッとあてると巻き付くアクセサリーの一種です。
このスラップブラスラッド状の本体に、タッチスクリーン機能を搭載。またブレスレッドの端に、通話機能やWi-Fi・ブルートゥースなどの通信モジュール、バッテリー、その他電子基板を搭載させるようです。
「iWatch」を予想したコンセプトムービーです。アップルと関係あるかはかわかりませんが、素敵だなって思ったのでご紹介します。 The iWatch – A First Look – YouTube
≪まとめ≫
アップルくらいワールドワイドだと、商標登録も規模が違います。しかし、いつ商標や特許を申請するか?どうやってオープンのタイミングをずらすか?などのテクニックは誰でも使えます。
またアップルのように、おもちゃのブレスレッドをヒントに商品のコンセプトを決めるのは参考になると思います。
2013年6月8日
2013年7月2日
<追加記事> アップルの「iWatch」が日本にも上陸!?-商標登録の申請が発覚!
著書 ゆうすけ
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