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「東京ばな奈」から学ぶ 売れるお土産ネーミング 3つの心得

公開日: : 最終更新日:2014/01/04 ネーミング開発

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東京のお土産といえば「東京ばな奈」、というくらい認知された定番商品。なぜヒットしたのかを調べてみると、コンセプトとネーミングが見事にマッチしているのです。

そこで「東京ばな奈」から学ぶ売れるお土産ネーミングのつくり方3つの心得をまとめました。

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ステップ1 エリアをネーミングに入れる


名前のとおり、「東京ばな奈」は東京で売られています。ではなぜ東京を販売エリアとしたのでしょうか。それは「東京ばな奈」が発売された1990年ごろ、いわゆる東京のお土産というものがなかったからです。あったとしても、浅草の人形焼や草加せんべいなど地域のお土産くらいでした。

一方、地方はお土産の文化は進んでいました。例えば北海道のお土産の定番「白い恋人」は、1976年に発売が開始されました。また京都のお土産の定番の八ツ橋は、江戸時代から伝わるものです。おそらく地方では、お土産が大事な収入源だったのではないでしょうか。

つまり東京にもお菓子やスイーツは沢山あったものの、東京のお土産として買ってもらえる定番商品はありませんでした。そこに目をつけたわけです。そして「東京」というキーワードがあると、どこに行ったかをもらった人もわかりやすいため、あげる人にとってはお土産として買いやすいはずです。

このように商品の市場となるエリアをネーミングで表現することで、他のお土産と明確に差別化を図ることができます。

ステップ2 原材料をネーミングに入れる


これも名前のとおり、「東京ばな奈」はバナナが使われています。これにもちゃんと理由がありました。

バナナといえば、遠足のおやつ、健康食品、お見舞い品など、いろいろなシーンに登場します。つまりバナナは、子どもからお年寄りまで幅広く愛されているわけです。このため「バナナ」というキーワードがあると、何が入っているかあげる人もわかるため買いやすくなります。

このように原材料をネーミングで表現することで、他のお土産と明確に差別化を図ることができます。

ステップ3 文字をかえてネーミングをつくる


ステップ1と2で、「東京」と「バナナ」というキーワードがでてきました。だったら「東京バナナ」でもよかったのでは?というギモンもわきます。ところが「ばな奈」とするメリットは3つあります。

メリット1 カタカナよりひらながの方がやさしいイメージ

ステップ2でも書いたとおり、「東京ばな奈」は幅広い年齢層に愛されたいという想いがありました。そのため子どもやお年寄りには、カタカナよりひらがなの方がやさしさを感じられるため、好まれるようです。

メリット2 女の子のキャラクターをイメージ

バナナにリボンがついているパッケージを見たことありませんか?これもある種のキャラクター戦略です。「ばな奈ちゃん」というキャラクターをネーミングとパッケージで表現することで、お客様の興味をひいています。

メリット3 商標登録しやすい

「東京バナナ」だと、東京で売っているバナナ入りのお菓子という普通名称になりかねません。これだと商標登録できないため、真似される可能性があります。一方、「東京ばな奈」なら、「ばな奈」の部分に特徴があるため、オリジナルなネーミングと判断されます(登録第4239432号)。

このように読み方は同じでも文字をかえることでお客様に愛されやすくなるばかりでなく、商標登録もしやすいため、独自の価値をつけることができます。

まとめ


コンセプトとネーミングは一心同体です。ネーミングでコンセプトを一言で伝えるくらいのわかりやすさがあってもいいのではないでしょうか。

<参考> Think 実践的ビジネストレーニング詩 SPRING 2013 N0.45

2013年5月25日

著書 ゆうすけ

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