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ゲーミフィケーションをつかってやる気のない部下を教育する方法

公開日: : 最終更新日:2014/01/03 教育論 , , , , , ,

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Web&モバイルマーケティングEXPOの記事でゲーミフィケーションのことを書きましたが、マーケティングに限らずあらゆる場面で使えるのではないかと思っています。要は、興味がわかないことにゲーム性を持たせることで興味をわかせて成長につなげることと理解しています。

そこで仕事へのモチベーションが低くやる気のない部下を、いかに積極的に取り組ませるかを、ゲーミフィケーションをつかって試してみました。

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やる気がなくてもできる仕事を与える

弁理士の仕事は書類作成がメインです。特に弁理士資格を持っていないアシスタントはお客様に接する機会が少ない分、特許庁に提出する書類を作成する仕事がメイン業務です(アシスタントが作成した書類は弁理士がチェックします)。

作成する書類の種類はたくさんあります。特許や商標などを申請するための書類、登録料を納付するための書類、特許や商標を他人に使わせることを登録する書類、お客様の代理人になるための書類などなど。これらの書類のうち、例えば特許や商標などを申請するための書類は、法律の知識がないとつくれないため、仕事へのモチベーションが低いアシスタントには教育しきれません。そのため仕事へのモチベーションが高い弁理士を目指すアシスタントに教育します。

一方、お客様の代理人になるための書類は、法律の知識がなくても、書類の意味や書く項目を理解すればなんとかつくれます。また特許や商標などの申請書類と異なり、自分の個性を活かして工夫する必要がありません。そこで弁理士を目指すアシスタントでなく、仕事へのモチベーションが低いアシスタントに与えます。

仕事ではなく自分の成長をゲーム的に楽しませる

しかし個性を活かして工夫する必要がないということは、その分考えることが少ないため、面白味に欠けます。当然のことながら、やる気のないアシスタントは仕事をがんばろうとしません。一方、弁理士を目指すアシスタントはがんばって仕事に取り組んで成長しています。この事実をやる気のないアシスタントもちゃんと認めているはずです。

そこで本来なら楽しい仕事も能力不足でできず、また面白味に欠ける仕事もモチベーションが低いのでまともにできない事実を、「成長」というキーワードに置き換えて伝えてみました。つまり面白味に欠ける仕事でもちゃんと考えてできるようになれば、自分の成長につながって今後の仕事に役に立つということを伝えたのです。

そしてやる気のないアシスタントはすぐに仕事の許容量を超えてしまうため(いっぱいいっぱいになってしまうため)、単に作業をさせるのではなく、まず「仕事の意味」を考えてもらいました。今回の場合、お客様の代理人になるために必要な各書類の意味、書類内の各項目の意味、各書類を提出するタイミングの意味などをクイズ形式にしたのです。なぜ?なぜ?なぜ?と自分で考えて回答してもらうことが私からの課題でした。

このとき、アシスタントの能力に応じてヒントをあげるといいと思います。私のアシスタントの場合、自分でヒントを探し出す検索能力に乏しかったので、参考サイトをあらかじめヒントで与えました。予想通り、参考サイトの内容もすんなりと理解することができませんでした。そのレベルでも仕方がないと思っています。大切なことは、現状を自覚させることと、自力で回答まで到達させることです。

正解ではなく考え方のプロセスを覚えさせる

結局、回答するまで1週間かかりました。それでもちゃんと自分で回答してきました。しかも私が考えていた正解よりもより適した回答を出してきたのです。この成果に対しては、「よくがんばりました」「正確な回答をありがとう」と、ちゃんと言葉で伝えました。

正直、回答が遅すぎるため、若干あきらめていた部分もあります。やはりダメなのかなって。やる気がない人には、いくらやり方をかえてもモチベーションがあがることはないのかなって。

しかし途中で助け船を出さずにジッと待つことも教育の一環と考えていたため、聞かれるまでは声をかけませんでした。幸い、6日目に、回答が遅れていること、遅くなってはお客様に申し訳ないことを自ら伝えてきたことが救いでした。それがなければ打ち切りも考えていたからです。

この教育の真の目的は、正解を出させるのではなく、自分が考えたプロセスに基づいて回答を出させることです。そのため回答が間違っていても全く問題ないのです。欲を言えば、その点に早く気づいてほしかったです。なぜなら私は、「正解をください」ではなく、「回答してください」と文書で伝えたからです。

ちなみに私が部下の立場のときは、できるだけ上司の意図(目的)を考えるようにしていました。上司の意図がわからない場合は、「〇〇という理解でよろしいでしょか?」と確認します。回答を出すべきか?正解を出すべきか?など早めに判断し、コミュニケーションにずれがなくなるからです。

まとめ


正解を教えることは簡単です。ですがそれでは次のステップにつながりません。なぜなら考えて仕事をする習慣が身につかないため、ちょっと事案がかわると途端にできなくなってしまうからです。仕事を覚えさせるのではなく、自分の成長のために考え方のプロセスを養わせること、それをゲーミフィケーションで行うことで、やる気のない部下のモチベーションをわずかながらあげることができることを体感しました。

2013年5月11日

著書 ゆうすけ

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