「トリアージ仕事術(裴英洙著)」から学んだ大切な3つのこと
効率をあげるための仕事術は以前から興味があったため、書籍はたくさん読んできました。また仕事量の増加に伴い、健康にも気をつかうようになったため、医学や心理学にも興味を持つようになりました。
そこでコンサルタントであり医師でもある裴英洙氏の「トリアージ仕事術」を読んで感じたことや実践してみたいことを、ネーミング戦略に沿って3つまとめました。なお「トリアージ」とは、医療分野にて治療や搬送の優先順位をつけて負傷者を分類することを意味します。
1.ネーミングはビジネスのマナー
著者は自分の意見を伝える際に、「シングルセンテンス」を意識しています。その理由を以下のように述べています。
世の中のビジネスパーソンは忙しい。その忙しい時間を分けていただいて話を聞いてもらうわけですから、相手の時間を尊重すべく、簡潔に説得力のあるように伝えたいものです。(p75)
ネーミングはシングルセンテンスの中で、オリジナリティがある最も短いものです。言いたいことを端的に伝えることがビジネスの基本であるとすれば、ネーミングはビジネスマナーといえます。メールのタイトルしかり、文章内の項目しかり、シンプルでわかりやすければ、コミュニケーションがスムーズになります。
2.メモをネーミングにすれば発想が広がる
著者の体験談の一つで、ジャマにならないように偉い人のそばにいて学ぶことを「コバンザメ戦法」とメモして、思い出すきっかけ(トリガー)にしたことがあります。しかしこのメモのことを、著者は次のようにとらえています。
「コバンザメ戦法」だけだったら、自分が旅行に行くシチュエーションだと考えると、添乗員さんにぴったりくっついたほうがいいのかなとか、解釈が広がります。・・・つまり、発展の余地を残すために、あえて文章にしないのです。(p84)
ネーミングでは、「シズル」が重要です。「シズル」とは、たとえば「ジュージュー」といえば肉が焼ける音、つまり焼き肉やステーキを思い出すように、そのコトバを見たり聞いたりすれば、それらのことを思い出すコトバのことです。これと同じで、トリガーメモをネーミングにすれば、そのコトバのイメージにあった新しい発想が生まれやすいです。
3.ネーミングが行動力をあたえる
どんなことでも、とにかくやってみよう!と思ったとき、皆さんはどうしてますか?まずは考えるタイプの方、考えだすと行動がとまっちゃう。。。という経験も少なくないはずです。とまってる間は作業していないことになります。その点について、著者は以下のように考えています。
企画書作りは時間がかかるからと、つい後回しにしてしまう人なら、文書作成ソフトを立ち上げ「〇〇の企画について」と、企画書のタイトルをいきなり打ち始めてしまう……。こんな具合に、小さな一歩を強引でも踏み出してしまうのです。(p117)
私もブログ記事を書くときは、記事のタイトルや項目などネーミングから書きはじめます。しかもあまり考えずに直感で。この記事はこんな構成にしたいな~というイメージをネーミングに落とし込みます。そうすると、書きたい内容がスッと文章になってでてきます。はじめは読みにくい文章でも、どんどん書き進めることで、全体のバランスを考えて読みやすい文章に修正することができます。
まとめ
ネーミングは商品やサービスの名称に限らず、あらゆるビジネスシーンで役に立ちます。意識してネーミングに取り組めば、自分の意思が伝わりやすくなったり、新しい発想が生まれたりする可能性を秘めています。
2013年4月10日 著書 ゆうすけ
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