知財管理もホワイトカラーのパラダイムシフトが必要!「トヨタ生産方式の逆襲」から学ぶ業務カイゼンの真髄とは?
かんばん方式をはじめトヨタ生産方式が誤解されている理由や、実は製造現場に導入すべき考え方などが書かれた著書を読んで、共感できる点が多々ありました。
その中でも、トヨタ生産方式に対するホワイトカラーの実態とパラダイムシフトの必要性について語られた部分が印象深く、知財管理にも同様なことが言えるんじゃないかなって思っていま。
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実は私の指導とは、製造現場で行うものだけではなく、むしろ企業の本社機能に巣食っているホワイトカラーとの「戦い」であり、「知恵比べ」でもあるのです。そうした「賢い」職種の人たちに、自分たちのこれまでの仕事の進め方が的外れなうえに非効率であることに気づいてもらい、製造現場と一体となって改革に取り組んでいけるような仕掛けを作ることが役割だとも思っています。
<引用:トヨタ生産方式の逆襲(鈴木尚久著)>
ぼくも以前、会社員時代にトヨタ生産方式に関する仕事をしたことがあります。簡単に言うと、トヨタ社の生産システムを子会社に移植するというプロジェクト。
そのとき思ったトヨタ生産方式のすごさって、ヒトの運用まできめ細かく仕組化していることです。どこの誰がいつどんな情報を入手し、入力し、送信したか?という業務をフロー化していました。
だから生産システムを移植するというのは、まるで脳みそを取り換えるようなもんで、トヨタ社の仕組みと子会社の仕組みを一つずつつなぎなおすため整理がむちゃくちゃ大変でした。
そんなことを思い出しながらこの本を読んでいましたが、弁理士になって知財の仕事していると、同じことを感じます。会社に知財管理を導入するなら、ホワイトカラーのパラダイムシフトが必要だなと。
中堅企業以下ではまだまだ知財管理=コストセンターのイメージが強いと感じます。たしかに、知財管理は売上に直結するものではないものの、将来的な売上を生み出す大切な活動です。
また、知財のリスク管理は会社に致命的な損害を与えない活動です。大地震が起きる前に防災対策をするのと同じで、トラブルが起きる前に取り組むから意味があるんです。
だから知財管理に対してもホワイトカラーのパラダイムシフトが 必要で、知財管理の業務カイゼンをサポートするのも弁理士の仕事の一つとぼくは考えています。
2015年4月4日
著者 ゆうすけ
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