ネーミングが誰かに商標登録されてないか簡単に調べる6つのステップ
ネーミングを決めるとき、似たネーミングが商標登録されているか調べおくと、のちのち安心です。またネーミングに迷ったとき、どんなキーワードをつかって商標登録されているか調べると、とても参考になります。
そこで特許庁が管理するデータベース(称呼検索)をつかった商標登録の調べ方をお伝えします(わかりやすい例として、「AKB48」が誰かに商標登録されていないか調べてみます)。
なお「称呼検索」とは、響き(称呼)が似ている商標登録があるかどうかを調べるものです。称呼が似ていたら同じネーミングと判断されることもあり、とても大切な検索です。
1.探したいネーミングをカタカナにする
アルファベット,漢字,数字,ひらがな,カタカナなど、ネーミングがどのように商標登録されているかはわかりません。そこで商標登録されているネーミングを称呼検索するときはカタカナにします。
「AKB48」という商標登録をさがしたいとき、このままでは称呼検索できません。そこで「AKB48」を「エーケービーフォーティーエイト」や「エイケイビイフォーティーエイト」とカタカナにします。なお「エイケイビイヨンジュウハチ」とよむことも、念のためかんがえておきます。
2.探したいネーミングの商品カテゴリー(区分)を調べる
ネーミングと商品はセットです。このため商品カテゴリー(区分)を特定しないで称呼検索を行うと、ネーミングが同じでも自分のビジネスとは関係ないものまで検索されてしまいます。そこで商品カテゴリー(区分)を調べる必要があります。商品カテゴリー(区分)を調べる方法はいろいろありますが、ここではもっとも簡単なものをお伝えします。
まずグーグルやヤフーで「特許庁 指定商品」と検索します。すると「類似商品・役務審査基準【国際分類10-2013版対応】・・・」がトップに表示されるので、それをクリックします。なおこれはたびたび変更されるため、最新版(2013版対応など)かどうかちゃんと確認してください。
「類似商品・役務審査基準【国際分類10-2013版対応】」が開かれたら、下にスクロールします。
下にスクロールすると、上の一覧がでます。この一覧は、商標登録の申請をするときに必要な商品カテゴリー「第1類~第45類」が書かれたものです。このうち探したいネーミングの商品カテゴリーの番号(第〇〇類)をひかえます。第1類~第35類が商品(モノ)、第36類~第45類が役務(サービス)です。
たとえば「AKB48」を探したい場合、「AKB48」がどの商品カテゴリーにぞくするかを調べます。ここで「AKB48」を看板とするビジネスには、アイドルになりたい一般の女性を養成する事業があります。このビジネスがあてはまるカテゴリーがどれか探したところ、教育(赤下線)というカテゴリーがありました。したがって「AKB48」の商品カテゴリーは「第41類」とわかりました。
3.検索エンジンで「IPDL」と検索する
つぎからいよいよ称呼検索の作業になります。
まずグーグルやヤフーで「IPDL」と検索してください。すると「IPDL特許庁電子図書館・・・」がトップに表示されますので、それをクリックします。
4.「商標検索」→「4.称呼検索」をクリックする
「IPDL特許庁電子図書館・・・」をクリックすると、特許や商標が検索できる画面が表示されます。そのうち「商標検索」のボックスにカーソルをあわせます。すると、右側にポップアップウィンドウが表示されます。そのうち「4.称呼検索」をクリックします。
5.カタカナにしたネーミングと商品カテゴリー(区分)を入力して検索を実行する
「称呼検索」が表示されたら、「称呼1」の欄に全角カタカナで「エーケービーフォーティーエイト」、「区分」の欄に半角数字で「41」と入力します。入力できたら「検索実行」ボタンをクリックします。
「検索実行」ボタンをクリックすると、画面中央部分に「検索結果6件」と表示されたので、「一覧表示(類似種別順)」か「一覧表示(番号順)」をクリックします(画像では「一覧表示(類似種別順)」)。
なおこのとき商標がみつからないと「検索結果0件」と表示され、「一覧表示(類似種別順)」など表示されないのでご注意ください。また「エイケイビイフォーティーエイト」や「エイケイビイヨンジュウハチ」で検索しても結果は同じでした。
6.検索された商標登録を確認する
称呼「エーケービーフォーティーエイト」で商品カテゴリー「第41類」に該当するものは全部で6件ありました。なおそのうち商標登録されているのが3件(項番1~3)、登録されていないのが3件(項番4~6)ありました。
商標登録されている3件(項番1~3)のうちの1件をみると、「AKB48」は商品カテゴリー「41」で商標登録されていることがわかりました。
また他の1件をみると、ロゴで「AKB48」という商標登録もありました。
まとめ
称呼や商品カテゴリー次第で、検索結果は大きくかわります。たとえば称呼「エーケービー」のみ(商品カテゴリーなし)で検索すると、検索結果は545件です。そこでネーミングが誰かに商標登録されてないか調べるときには、称呼や商品カテゴリーをちゃんとかんがえなければなりません。この点を意識して調べることをオススメします。
最後に、6つのステップをまとめておくので、チェックリストとしてご活用ください。
1.探したいネーミングをカタカナにする
2.探したいネーミングの商品カテゴリー(区分)を調べる
3.検索エンジンで「IPDL」と検索する
4.「商標検索」→「4.称呼検索」をクリックする
5.カタカナにしたネーミングと商品カテゴリー(区分)を入力して検索を実行する
6.検索された商標登録を確認する
<参考>
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