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商標登録して10年後に更新するかしないか迷ったときに判断する3つの目安

公開日: : 最終更新日:2014/11/15 商標, 商標1分講座

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商標登録は、登録料を払った後(登録後)、10年間(または5年間)権利を維持できます。その間に維持費を支払うことは基本的になく、運用も楽。 

しかし10年後に更新しなければ、商標登録そのものがなくなってしまいます。 

できれば登録した商品名でビジネスを続けたいものの、ほとんど稼動していない状況。あるとすれば、既存のお客様のサポートくらい。 

だから更新すべきかどうか迷うんですよね。せっかく登録したのにサクッとポイするのはもったいないような気もするし、でも更新するにはお金もかかるし。。。 

そこで商標登録して10年後に更新すべきかどうかの判断の目安をご紹介します。

photo credit: LendingMemo via photopin cc

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判断1:資産とみるか?コストとみるか?

まずは考え方から。商標登録の更新費用は1件ミニマム5万円程度。特許事務所や管理会社への手続手数料が1万円だとすると、6万円が動きます。 

1件だけみると大したことなさそうですが、10件で60万円となると、インパクトはそれなりにあります。だから商標を資産とみるかコストとみるかが判断の目安の一つです。 

ここで、商標を資産とみる場合、たとえば商品の販売権の代理契約が行われると、それにひもづいて商品名(商標)の使用許諾が必要になるため、その分のライセンス収入が見込めます。 

一方、商標をコストとみる場合、単に60万円をどぶに捨てるようなものです。また直接的な維持費はかかりませんが、商標の陳腐化を防ぐメンテナンスは必要で、その際の人件費などは少なからずかかります。 

つまり経営判断として、商標は資産になりそうだ!と思ったら更新すべきで、商標はコストに過ぎない!と思ったらポイしても問題なさそう、という目安です。 

判断2:他人がつかってないか? 

自分たちが商標をほとんど使ってないとしても、同業他社が知らずに(または勝手に)その商標を使っているケースは意外にあるんです(基本的にこれは商標権の侵害です)。 

同業他社はライバルであるとともに切磋琢磨する仲間でもあります。ビジネスのエリアやターゲットの違いで互いにバッティングしないなら、そんなにガミガミ言えない事情もあるでしょう。 

しかし何も言えないからといって商標登録を更新せずに捨ててしまうのはもったいないです。このケースこそ、商標を資産と考えるべきです。何かのタイミングで商標のライセンス収入が見込めるかもしれません。 

判断3:リスクを受け入れられるか? 

商標登録を更新しないということは、その商標(商品名)をパクリ業者に勝手に使われても何も言えないということです。そして何も言えずにそのまま放置していたら、その商品のみならず会社の評判やブランドが下がるリスクがあります。 

それだけにとどまらず、パクリ業者にその商品名をあらためて商標登録されることもあります。もし商標登録された場合、自分たちばかりでなく同業他社にもその効力が及び、その商品名を使いたければ使用料はらえ!といわれるリスクがあります。 

これらのリスクを受け入れることが商標登録を更新しない判断をする上で最低限必要な目安です。 

≪まとめ≫

商品のライフサイクル、お客様のニーズ、時代の流れに応じて、商標登録のみならず言葉そのものの価値はかわります。不変的なキーワードを商標登録できれば、資産としての価値は大きくなるでしょう。そして10年たったときに、自分たちの状況と同業他社の状況を見つつ、リスクを受け入れられるかどうかで更新するかどうか判断することをオススメします。 

2014年11月12日

著者 ゆうすけ 

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  • 弁理士/監査役/ブロガー。中堅企業、中小・ベンチャー企業、スタートアップに適した知的財産活動を提案。 「地域発 ヒット商品のデザイン」でネーミングと商標登録のコラムを掲載。
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