男性向けネイルサロンから学ぶネーミングと商標登録のコツ
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最終更新日:2014/01/03
ネーミング開発
新しいビジネスをはじめるときに必要なのは、コンセプトを設定することです。しかし新しいビジネスをまったくゼロからかんがえようとすると大変です。むしろ現代のビジネスは今まであったビジネスを参考にしてつくりあげたものばかりです。たとえば、女性向けのビジネスを男性向けのビジネスに置き換えるとどうなるでしょうか?べつにオネエ系ではありません(笑)。
女性向けのビジネスで流行ったものは男性向けのビジネスでも流行るのでは?そんな突拍子もない発想が話題を生んでいるネイルサロンのネーミングと商標登録の戦略についてご紹介します。
そのまんま「OTOKONAIL(読み:オトコネイル)」
※引用:「オトコネイル」
今までは女性向けのネイルサロンが男性向けに「メンズネイル」などのサービスを提供していました。しかしネイルサロンにいく男性といえば、オネエ系やモデルなど手先をみせる職業の方々くらいでしょ、という先入観がつよかったはずです。だからいくらサービスをうけたくても、一般の男性にとって女性向けのネイルサロンにいくことは少なからず抵抗があったとおもいます。
したがって男性専用のネイルサロンというコンセプトと、このコンセプトとマッチしたサービス名「OTOKONAIL(読み:オトコネイル)」は、インパクトとわかりやすさでベストなネーミングです。
また顧客の6割弱が中小企業の経営者や上場企業の役職など50代以上ということから、「オトコ」という言葉の響きがダンディなイメージを発しているのではないでしょうか。
「OTOKONAIL」はアルファベットで一体的にして商標登録
インパクトとわかりやすさがあるネーミングとは、逆にいえば普通っぽいネーミングということになります。つまり一般につかわれていそうなネーミング。そうかんがえると、「OTOKONAIL」だって「MEN’S NAIL(メンズネイル)」の「MEN’S」を日本語の「OTOKO」にしただけだから商標登録できないんじゃないか?というギモンもわきます。
ここで商標登録は、その業界内で一般的につかわれている言葉かどうか?をかんがえます。この場合、「OTOKO」は「MEN’S」を日本語にしたにすぎないものの、商標は「OTOKO」と「NAIL」を合体した「OTOKONAIL」です。したがって「OTOKONAIL」がネイル業界で一般的につかわれている言葉かどうかをかんがえると、これ自体は一般的につかわれていなかったとかんがえられます。
またカタカナで「オトコネイル」にしなかったのもポイントです。なぜなら「メンズネイル」が以前から一般的につかわれていた言葉だから、「オトコネイル」は「メンズネイル」の「メンズ」を「オトコ」にしただけでしょ、と判断される可能性がたかいからです。このためカタカナではなくアルファベットにしたことで、「OTOKO」と「NAIL」の一体感を強調することができたとかんがえられます。
まとめ
カタカナでかくと普通っぽくても、アルファベットでかくと普通っぽくなく表現することができるため、商標登録できる可能性がたかまります。商標登録のポイントは、ネーミングとして一体感があるかどうかです。
<参考>
「男性専用ネイルサロン-中高年にニーズ、法人向け出張サービスも」 ⇒ http://ichigaya.keizai.biz/headline/1602/
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