海外で日本の店名(看板)が真似される3つの理由
引用:神座商標(左:本物)と台湾で発見された看板(右:偽物)
「どうとんぼり神座(かむくら)」といえば、野菜がたくさん入っていてスープに透明感のあるラーメンを思いだします。もともと関西が中心ですが、東京にもお店があるラーメンチェーンです。そんな日本で人気のあるラーメン屋の店名(看板)をまねしている飲食店が台湾にあったというニュースが3月19日にありました。
そこでなぜ海外で日本の店名(看板)がまねされているのか?を、お客さまの立場になってかんがえたところ3つの理由がありました。
1.お客さまは店名(看板)を信じて店をえらぶ
外国語が得意か不得意かにかかわらず、日本人は海外で日本語をみると安心します。まして日本で有名なラーメン店の看板をみかけたら入ってみたくなるはずです。つまり店名には、神座が日本国内で長い年月をかけて育てたラーメン屋としての信用がのっかっているということです。そのため日本で有名なラーメン店を台湾で出店すれば、そのウワサがひろがって台湾人も集客できるというわけです。
2.お客さまは店名(看板)が本物か偽物かわからない
よほどデキのわるい看板でないかぎり、本物と信じる人のほうが多いのではないでしょうか。また偽物とうたがっても、本物か偽物かをちゃんと確認する人はまずいません。めんどうくさいし、店員に聞いても本物と答えるのがオチだからです。したがって偽物とわかった人は他の店にいくでしょう。まして台湾の人が本物か偽物か見分けがつくはずがありません。
3.お客さまは偽物とわかっても本物にわざわざ通告しない
残念なことに、お客さまは看板を信じて店にはいり、ラーメンを食べてしまいました。もちろんまずいと感じた人は多いはずです。ところがまずいという苦情が出はじめた2007年ごろから今回の事件が発覚するまで6年かかっています。つまりお客さまは、ん?このラーメンは偽物かも?とおもっても、本物に通告することはほとんどないということです。
まとめ
店名にはお客さまに本物の店や商品であることを信用させるチカラがあります。つまり看板(商標)はビジネスにとって命そのものです。海外で看板がまねされるということは、ビジネスの生命線を絶たれたといっても過言ではないことが、今回の事例からいえそうです。海外進出をかんがえている経営者の方々はぜひ参考にしてください。早めに商標登録しておくことをオススメします。
<参考サイト>「まずい」で発覚 台湾に有名ラーメン店の模倣店 ⇒ http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1900Q_Z10C13A3CC0000/
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