漢字1文字かえるだけで大ヒットするネーミングのつくり方
公開日:
:
最終更新日:2014/01/04
ネーミング開発
ネーミングはひらがな,カタカナ,アルファベット,漢字などいろいろつかえます。とくに漢字は、かいた時の文字数が少なくてすむし、その意味が伝わりやすいため有効です。でもまったくゼロから新しいネーミングをつくるのは大変です。
一般につかわれている言葉をうまく活用できないか?とかんがえたところ、漢字たった1文字かえただけで大ヒットしロングセラー商品となったネーミングが3つありました。
そこでこれらのネーミングを参考に、ヒットするネーミングのつくり方をかんがえてみましょう。
宅急便(宅配便) 商標登録第3023793号 他
「クロネコヤマトの宅急便♪」でおなじみのヤマトホールディングス株式会社の登録商標です。自宅にモノを届けるサービスを一般に「宅配便」といいますが、ヤマトは宅配便の「配」を「急」にかえました。
「配」を「急」にかえただけでまったくイメージがことなります。「宅配便」と「宅急便」とをくらべると、「宅急便」のほうが早くとどけてくれそうな気がしませんか?「たっきゅうびん」という響きもよく言いやすいため、親しみがもてます。
なお商標登録されているものは、「急」に脚のデザインをほどこしてありますね。急いでモノを運んでいるようにみえます。
湯名人(有名人) 商標登録第2369968号 他
追い炊き機能をもった24時間風呂として、「湯、湯、湯、の湯名人、ジャノメの湯~名人♪」でおなじみ(30代の方はご存じですよね^^)、ジャノメの登録商標です。これは「だれもが知っている人」という意味の「有名人」の「有」を「湯」にかえたものです。
「湯名人」を「ゆーめいじん」と読ませることで、「有名人」をイメージさせています。これにより「湯名人」という新しい言葉を親しみやすくしています。また「ゆめいじん」より「ゆーめいじん」のほうが言いやすく、響きがよくなります。
通勤快足(通勤快速) 商標登録第2093963号 他
株式会社レナウンが販売したサラリーマン用の靴下のネーミングです。サラリーマンといえば「通勤電車」ですよね。とくに通勤時間帯には「通勤快速」という特別な電車がはしります。しかし「通勤快速」は乗車率がたかいため、室温もあがります。そのため通勤途中のサラリーマンの足元は汗ばみ、臭くなりがちでした。そんなサラリーマンの悩みを解消する抗菌防臭機能をもった靴下として開発されたのが「通勤快足」です。
1981年の発売当初は「フレッシュライン」というネーミングで販売されていました。このときの売上げは初年度で3億円。しかしその後数年間は販売数が減少してしまいました。そこで1987年に「フレッシュライン」から「通勤快足」に改名したところ、改名後2年で45億円売上げる大ヒット商品にバケました。ヒットした理由は、ネーミングにインパクトがあることと、商品がわかりやすいことです。
なお商標登録されているものは、「足」に足のデザインをほどこしてありますね。足の臭いが漂いそうなイメージがするため、「通勤快足」の購買意欲をかきたてています。
まとめ
このように日常の生活でなにげなくつかっている言葉(キーワード)に、実ははヒットネーミングを生み出すヒントがねむっているんです。まずはご自身のビジネスでどのようなキーワードがつかわれているかをたくさんあげて、その中からつかえそうなキーワードの1文字をかえてみると、だれもが欲しがるネーミングができるかもしれません。ぜひお試しください。
関連記事
-
ネジだってブランドが大事でしょ!商品名で差別化する工具メーカーの戦略
工具の商品名なんて誰も見てないでしょ!とあきらめたらおしまいです。商品が地味で似たり寄ったり
-
地名+業界内で普通に使われる一般名称のネーミングを商標登録するのは難しい
ネーミングを検討するとき、地名は有効なキーワードです。なぜならその地域の会社や商品を検索する
-
ネーミングにヒトの感覚を刺激するキーワードをつかうとヒット商品になりやすい!
思わず見てしまう、買ってしまう、気になってしょうがない、忘れられない、〇〇〇といえばあれ!み
-
人気のお土産「カリカリまだある?」に学ぶ、ヒットの条件とネーミングの効果
「地域発ヒット商品のデザイン」でぼくが書いたコラムでも事例として取り上げた北海道土産で人気の
-
世界のホンダもやってた!ネーミングと商標登録を同時に検討するメリットとしないデメリット
ぼくはネーミングと商標登録を同時に検討することに意義があると考えているので、これらについて日