「ハイチオールC」から学ぶマーケティングとファンを募るネーミングの付け方
シミやニキビの薬「ハイチオールC」などのシリーズでおなじみのエスエス製薬が会員制のウェブサイト「ハイチオール肌クラブ」をオープンしました。エスエス製薬といえば「エスタック鼻炎カプセル」や「エスカップ」などヒット商品がたくさんありますが、なぜ今回このような会員制サイトをオープンしたのでしょうか。
「ハイチオールC」1972年に発売され早40年のメガヒット商品です。でももともとはL-システインがはいった二日酔いにきく薬として繁用されていました。つまり中高年男性向けの商品だったんですね。ところが二日酔いにきく肝臓への作業が、しみの原因になるメラニンを無色化し肌の新陳代謝をたすける効果があると注目されました。また1990年代から急速に拡大してきたマツキヨなどのドラックストアが女性の人気をあつめたことと、美白ブームが到来したことがきっかけで、1998年7月からしみやそばかすを気にする女性をターゲットにした商品に変更したわけです。このときのキャッチコピーは「シミ、のんで治そう、ハイチオールC♪」はあまりにも有名です。さらに2006年3月に「ハイチオールCプルミエール」、2009年6月に「ハイチオールB」、2010年7月に「ハイチオールCプラス」を発売してきました。
そしてこの度、「ハイチオール肌クラブ」をオープン。ターゲットは、ハイチオールを服用している人や購入を検討している人。会員の特典としては、薬の服用を自分で管理して飲み忘れをふせぐ「お薬ダイアリー」や「ムーンプリンセス・妃弥子」監修による「肌占い」などがあります。またログインしてダイアリーを作成したり友達を紹介したりするとポイントがたまって景品と交換できます。会員になって損することはないようです。
ネーミングのマーケティング効果として注目すべきは「肌クラブ」と「お薬ダイアリー」ばかりでなく、「肌クラブスロット」や「肌タロット占い」などは「肌」をキーワードとした気になるネーミングが満載です。ちなみに「肌クラブスロット」で絵柄が3つそろうと100ポイントもらえますが、1日3回までで、かつ当たりがでたら次の日までできません(笑)。あ、わたし登録したことがばれましたね^^
このように商品を会員制のウェブサイトと組み合わせてコンテンツ化することで、さらに商品の売り上げをあげるマーケティング戦略は今後のスモールビジネスでも活かせるはずです。ぜひ参考にしてみてください。
ちなみに「ハイチオールC」の由来は、「HIGH+チオール基+ビタミンC」。主成分のL-システインにはチオール基が多く入っており、さらにビタミンCを配合していることから、この名称にしたようです。
<参考サイト>
エスエス製薬、会員制のWEBプログラム「ハイチオール 肌クラブ」を開設……服用状況の管理やエンタメコンテンツも
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