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中堅・中小企業はぶっちゃけ知財で儲かってる?損してる?ミエルヒントで事例検索

公開日: : 特許, 特許事例研究

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経産省がオモシロいサイトをつくったようですが(2015/7/13リリース)、あまり話題になってないのでご紹介。主に、中堅・中小企業を対象に、各企業の成功例、失敗例をまとめたものです。

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画像©:ミエルヒント

中堅・中小企業の成功例・失敗例を検索

経産省がつくった企業の事例紹介やノウハウ集は今までもありましたが、けっこう読むの大変なんですよね。あー、いい情報なのに残念だな~と思っていました。

その点、ミエルヒントでは自分のニーズにあう情報を検索できるようになっています。検索のステップは以下の4つ。一発検索はできませんが、事例がしぼれるので便利です。

ステップ1 製造業orサービス業の選択
ステップ2 要望の選択(新商品開発や販路開拓など)
ステップ3 課題の選択(資金or人財or情報・評価)
ステップ4 具体例の選択(各企業が一覧で表示、成功事例or失敗事例)

知財活動の成功例・失敗例リスト

事例の中には、知的財産(知財)について紹介されているものもあります。ただ、知財活動の成功例・失敗例をピンポイントで検索することはできません。

そこで、知財の成功例(儲かった例)と失敗例(損した例)をピックアップしてみました。儲かるために特許は必要か?特許をとらないとどう損するのか?など参考にしてみてください。

ちなみに、失敗したけどカイゼンして成功した事例(((株))昭和冷凍プラント)は、成功例にも失敗例にものせてあります。

知財の成功例

ノウハウを活用して自社製品の開発に成功((株)スエヒロEPM)

知的財産活動のアピールによる宣伝効果((株)昭和冷凍プラント)

ノウハウを糧に事業転換し、10年後には40億円に拡大(京西テクノス(株))

新商品を共同開発し、売上高が8億円(2014年度)まで成長(浅野撚糸株式会社)

各社の技術・ノウハウを集結し、ロボット開発に成功(マッスル(株))

他社技術を習得し自社技術にし、世界シェア7割の製品を開発(岡本硝子(株))

コア技能の見える化(リストアップ)により次世代に伝承(黒田精工(株)) 

知財の失敗例 

特許を取っていなかったため売上高が2億円以上減少((株)昭和冷凍プラント)

損害賠償請求6億円の特許侵害訴訟にて3年間争い4千万円の和解金((株)ナベル) 

≪まとめ≫ 

成功例のみならず失敗例を提供してくれるこれらの企業は本当にありがたいと思います。これらの氷山の一角に過ぎませんが、中堅・中小企業の知財の実態をまとめると以下のように感じています。

まず、“特許で直接儲かった(ライセンス収入や売却収入)”という事例は見当たりませんでした。でも、コア技術のブラッシュアップ、非公開ノウハウの蓄積、他社との技術共有、社内での技術継承などが業界内でのシェアを獲得している要因といえそうです。 

さらに、これらの企業のうち、特許を所有しているところも、実は少なくありません。つまり、特許があるとシェアを獲得した状態をキープできるメリットを得られるといえそうです。

シェアをキープするということは、特許があるせいで二の足を踏んでいるライバル会社分も儲けているということです。 

一方、“特許で直接損をした”という事例は紹介されています。特許がないため減収、他社特許のせいで裁判沙汰というのは、特許活動をしていなかった代償といえます。

また、この代償は一時的なものではなく、その後の会社経営にも悪い影響を及ぼすリスクがあります。つまり、特許がないとシェアを獲得できない状態が続くデメリットをうけるといえそうです。

2015年8月19日

著者 ゆうすけ

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