弁理士は、考えて、研究して、言語化するのが仕事でしょ!
今日のカンブリア宮殿は辻調こと、辻調理師専門学校の特集で、今の辻社長がめちゃくちゃいいこと言ってました。さすが就職率99%の学校の経営者だ~と感心するばかり。
そこでそっくりそのまま弁理士業にあてはめてみました。
自分で考えろ!
辻調では、生徒たちに料理につくり方を教えるのではなく、料理の考え方を教えるといいます。なぜなら料理の考え方を学ぶなければ社会で自立した調理師にはなれないからだそうです。そのため生徒たちには答えを教えるのではなく、自分なりの回答を導き出せるような考え方のプロセスを教えています。
それって弁理士も同じだと思うんです。特許をとるためのありきたりなうんちくや小細工を披露するんじゃなくって、もっとお客さんがビジネスありきで考えた回答を出すべきではないでしょうか。特許とった後のイメージ、とれなかった場合のリスク、出願しあえて公開することのメリットなどはお客さんでは到底わからないことで、それらはお客さんのみならずお客さんのライバル会社にもインパクトがあるアクションです。
研究しようよ!
辻調の創業者である故・辻氏は新聞社の社員から料理の道に進んだという異端児。しかし料理を愛する気持ちは誰にも負けず、ミシュランガイドに選ばれた海外のレストランに片っ端から行ったそうです。そしてその集大成として「フランス料理研究」というめちゃくちゃデカい料理研究本つくりました。そこには鳥のさばき方とかフランス料理の盛り付け方とか、あらゆるノウハウが書かれています。
料理人の使命は、料理をつくることじゃなく料理を食べる人を幸せるにすることだとしたら、弁理士の使命は、特許をとることじゃなくって、特許をとったお客さんが儲かったり会社にプラス効果を与えたりすることになります。とすると、その使命をまっとうする研究が必要なはずです。企業が取り組む知的財産の研究とか、特許をとったことで得た効果とか。研究の仕方は書籍ばかりじゃなく会社で活躍している人たちに会いにいくのもありでしょう。
言語化しないと伝わらないって!
辻調は自ら学び自立した調理師を育てるために、料理に関するあらゆる情報を体系化したことが強みのようです。今は料理教育の構造改革を推し進めており、実務界で活躍している卒業生に社長自ら会いに行き取材をしています。そのような行動力に加え、代々伝わる研究力で仕入れた情報を言語化することで、唯一無二の料理教育商材が完成したわけです。
弁理士も同じです。特許とかそもそも知的財産って目に見えないわけだから、どんなに口で言ってもそりゃ伝わらないでしょ~。中には責任とりたくないから文字にしないとかいう人もいる始末。責任とれないようなこと書かなきゃいいじゃんって思っちゃいます。リスクあるならリスクあるって書くとか、断言できないならその理由を付け足すとか、そういうことこそお客さんに伝えるべきことではないでしょうか。
≪まとめ≫
辻社長曰く、仕事は自らするもので、もらってするのは仕事じゃないと言っていました。すごく共感できます。弁理士は請負業で、中には下請け扱いするお客さんもいます。能力が低いならまだしも、安売りするのはお客さんのためにもならないはずです。正当な報酬を頂くには、弁理士として真っ当な仕事をすべきではないでしょうか。
2014年8月21日
著者 ゆうすけ
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