著作権のお悩み相談で最多は、写真の使用が他者の著作権侵害にならないか?
公開日:
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最終更新日:2014/08/21
著作権
著作権は知的財産権の中でも特にグレーな世界が多く、判例だけじゃ間に合わないくらいケースが多彩です。そのためいろんな相談をされることがあります。
でも特に写真の著作物の取り扱いについて一番聞かれるな~と思っていたところ、やっぱり!と思えるデータが公開されました。
photo credit: Horia Varlan via photopin cc
その写真、著作権侵害ですか!?
これは、平成24年7~8月にアンケート実施し、回答弁理士数63名(特許事務所系39名、企業系19名、産学連携系5名)による結果です。
<相談を受けた分野>※複数回答可
・文章・・・26件
・写真・・・36件
・絵画などの美術・・・13件
・建築物・・・8件
・音楽・・・19件
・コンピュータ・プログラム・・・24件
・アニメ・ゲーム・キャラクター・・・20件
・ホームページ・ブログ・・・17件
・その他・・・12件<相談を受けた内容>※複数回答可
・相手方の行為(他者の行為が著作権侵害になるのではないか)・・・23件
・自らの行為の確認(他者の著作権侵害にならないか)・・・47件
・契約や公募条件の作成・・・29件
・著作権登録(文化庁及びSOFTIC)・・・12件
・その他・・・17件<引用:パテント2014 Vol.67 No.9 「著作権実務Q&A」作成と各支部における研修会の報告 p8>
ビジネス上、ビジュアルによる訴求効果ってかなり高いはずです。文章ばっかりより図表のほうが見やすい。さらに写真を入れると、視聴者が勝手に想像してくれるので、使いようによってはマーケティング効果バツグンでしょう。
しかしその写真の著作権をちゃーんと理解した上で使っている人ってどれくらいいるのでしょうか。おそらく買い取ったから大丈夫でしょ!とか、フリー写真だからなんでもOK!なんて思っている人が多いんじゃないかと思うんです。
ところがやっかいなことに、それらの写真の取り扱いは、著作権者によってルールが違うわけです。たとえば有料無料問わず、ダウンロードした写真はそのサイトの管理者が著作権を持っていると想像できます。特にフリー写真の場合、サイト管理者としては写真の利用ユーザーを増やすために「フリー」という言葉を使ってお得感を出したりもしてるでしょう。
しかしサイト管理者は、写真の使用料で収益をあげ、一方で、自分が著作権のトラブルに巻き込まれないよう、ルールを二重三重に設定することがあります。だからフリー写真の利用には注意が必要なんです。軽く考えるとトラブルに発展する危険性もあります。
≪まとめ≫
著作権は生活に密着しているため、考えすぎたらきりがありません。だから常識の範囲でモノゴトを考えれば、著作権侵害で訴えられるリスクはだいぶ減るはずなんで、なるべく意識しておくことをオススメします。
2014年8月20日
著者 ゆうすけ
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