「大阪都構想」はわかりにくかった?政治の成功も左右するネーミングのチカラ
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ネーミング事例研究
以前、石原さんが代表の「太陽の党」の由来について記事を書きましたが、今回は維新の会のネーミングについて石原代表が一喝しました。
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「大阪都構想」はわかりにくいと一喝
さすが作家の石原代表。ネーミングのチカラを理解されての発言です。
・・・「大阪都構想」のネーミングが悪かった。「東京に追いつき追い越せ」といったキャンペーンをすべきだった。衰弱した大阪をもう一回、再生させようというのが大眼目だったんでしょ?
国政を論じる政党を、と思って日本維新の会を作ったが、ギャップができてしまった感じがする。彼は政治家としての願望をもっと全国に分かりやすく伝える努力をすべきだった。東京都民に「大阪都構想」と言っても、「それは何なんだ」と思うでしょ?
2014/3/24 産経新聞「大阪市長選 維新・石原共同代表「橋下氏、壮絶に空振っちゃった」
大阪都構想は、大阪市(および堺市その他の大阪市周辺の市)を廃止し、その領域に特別区を設置するという構想です(ウィキペディア調べ)。「東京都」ができたように、大阪も「府」から「都」に名称変更するというものです。
ネーミングって、人がそれを見たときに、その内容や効果を感じ取れるものが理想的です。そのようなわかりやすいネーミングだと人々に伝わりやすいわけです。
「大阪都構想」という言葉自体は、将来的に大阪府が大阪都になるんだろうな~となんとなく理解できるため、わかりやすいといえばわかりやすいです。でもそもそも「大阪都」がどんな風になるのか?大阪府と比べてどう変わるのか?というのがこのままではわかりにくいのも確かです。
石原代表のイメージでいうと、「東京追いつき追い越せ構想」という感じでしょうか。大阪の方々にとっては東京という比較対象が明確になり、かつライバル心が出るため、政治と市民の一体感が生まれたかもしれません。
≪まとめ≫
未来を先取りしたネーミングはかえってわかりにくくなってしまいます。それ(大阪府構想)を実行するとどうなるか?ということを、「東京」のように比較できる対象があるならば、そのキーワードを入れると伝わるでしょう。
2014年3月25日
著者 ゆうすけ
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