カレーメシに改名!商品名とパッケージを変えてブランディングする日清の戦略
日清から新発売のカレーメシ。聞いただけで興味をそそられる商品です。アートディレクターの佐藤可士和さんがプロデュースしているそうです。そこで新たな日清のブランド戦略「カレーメシ」について整理しました。
photo credit: Nanagyei via photopin cc
わずか半年で改名
「カレーメシ」のコンセプトは、米が入っていて簡単に調理できる新しいスタイルのカレー、というものです。カレーそのものは一般的な食べ物ですが、「カレーメシ」とカナカナ表記することで、斬新なイメージします。まだ販売しているようですが、もともとは「カップカレーライス」という商品名で、それを「カレーメシ」に改名して新しいブランドを立ち上げたところからも日清の本気度が伺えます。
2010年に「カップヌードルごはん」を発売したのに続き、13年9月にはカップカレーライスの販売を始めた。販売は好調だったが、ご飯とルーが混ざった状態でできあがるため、「カレーライスではない」といった意見もあり、今回「カレーメシ」として、新ジャンルの即席食品としててこ入れする。(引用:2014/2/25 SankeiBiz「日清「カップカレーライス」わずか半年で見直し 「カレーメシ」に改称」)
それにしても「カップカレーライス」と聞くと、ごはんとルーが混ざっていないもの、と反応するいうユーザーの意識が興味深いです。ネーミングが商品のイメージに大きく影響するとてもわかりやすい事例ですね。
パッケージも変更
「カップカレーライス」というと、いかにも日清の「カップヌードル」ブランドの横展開という感じがします。パッケージでもむしろ強調したかったのか、「カップヌードル」のデザインを活かしたものになっています(左)。一方「カレーメシ」は、全部カタカナで若者にウケそうなイメージがするし、米粒のシルエットがかわいらしさを演出しています(右)。
©日清カップカレーライス(左) ©日清カレーメシ(右)
商標登録でブランディング
当然ネーミングやパッケージのブランディングには入念で、ちゃんと商標登録の申請もしているようです。「カレーメシ」という文字だけでは登録できなさそうなので、「NISSIN」のロゴを入れたり米粒の図形を入れたりして商標登録する方針のようです。
≪まとめ≫
わざわざ改名した「カレーメシ」の今後のブランディングには注目したいです。簡単に調理できる商品コンセプト、「カレーメシ」というネーミングや米粒のデザインのパッケージによるマーケティング、そして商標登録してパクリ対策するブランディング、どれも抜かりのない商品がどう発展していくのか楽しみです。
2014年2月27日
著者 ゆうすけ
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