*

スタートアップの継続に必要なのに軽視されがちな商標の新・3大リスク

公開日: : 最終更新日:2014/01/03 商標戦略 ,

Pocket

photo credit: Ѕolo via photopin cc

商標は、ネーミング・ロゴ・キャッチフレーズ・図形・立体的なモノを示す総称で、ビジネスにはかかせないものです。なぜならお客さまは商標を見てどこの商品やサービスかを判断するからです。

そんな大事な商標を登録するということは、ビジネスの信用を守ることにつながります。つまり商標を見ただけでお客さまが集まり、モノやサービスを買ってもらえるということは、商標自体に信用があると言えるわけです。

そんな大事な大事な商標をほったらかしにしていていいわけがなく、まずは真似されても文句が言えるようにしておくべきです。そこでスタートアップで軽く見られがちな商標の新・3大リスクをご紹介します。

スポンサードリンク

リスク1.地雷を踏む

地雷とは、だれが登録した商標のこと。誰かに先に登録された商標(地雷)と同じ商標を使うと、その地雷が爆発してしまいます。つまりスタートアップを継続できなくなってしまうリスクが潜んでいます。

以前、堂島ロールで有名な株式会社モンシュシュ(現:株式会社モンシェール)が、商標「モンシュシュ」を使ってケーキを売っていたところ、先に商標「モンシュシュ」を登録していたゴロンチャフ製菓株式会社から商標「モンシュシュ」の使用停止と損害賠償を要求されました。

結局、株式会社モンシュシュは5140万円の賠償金を支払うはめになったばかりでなく、社名を株式会社モンシェールに変更することになってしまいました。

リスク2.先にとられる

商標登録は早い者勝ちです。しかも特許と違い、技術をオープンしたらとれなくなる、というものではありません。つまり大切な商標をだれかに先に登録されてしまうリスクがあります。

当然、先に商標を登録されてしまったら、その商標を使えなくなります。だから商標「じぇじぇじぇ」が先に登録されてしまったら、NHKは商標「じぇじぇじぇ」をお菓子のパッケージに表示できなくなってしまうわけです。

もし先に商標を登録されてしまったことをスタートアップのリリース後に知ったら、地雷を踏んでしまうことにもなります。

リスク3.一般化する

大切だから商標を登録したところまではいいのですが、そこで安心してはいけません。商標も管理していないと、その価値がなくなり一般名称になってしまうリスクがあります。

リリース当時、商標「味の素」は料理の業界でとても価値がありました。わかりやすくシンプルで、かつインパクトがあるからです。だからみんなに味を引き立てる調味料といえば「味の素」と代名詞のように使われてしまったため、その価値がどんどん下がり、一般名称になりかけました。

その危機を察した味の素社は、その後®(Rマーク)をつけるなど商標「味の素」を管理したことで、一般名称化を防ぐことができました。

≪まとめ≫

スタートアップだけでなくビジネスを継続するためには商標のリスク対策をぜひオススメします。

ご相談やセミナー開催のご希望があればご連絡ください。 ⇒ お問合せフォーム 

2013年11月27日

著者 ゆうすけ

Pocket



関連記事

23138252250_5c507023ca

ハッシュタグの商標戦略の考察

先日、「ハッシュタグも知的財産--商標登録する海外企業」という興味深い記事が公開されていまし

記事を読む

photo credit: life in sacramento : spell casting, california (2015) via photopin (license)

「必殺技」の商標戦略の考察

バンダイが「必殺技」を商標出願したというニュース(2016/3/15)が報じられました。ゲーム業

記事を読む

25236620725_4df53fb958

ジェネリック家電のコピーを防ぐ特許戦略

photo credit: blood test via photopin (license)[/

記事を読む

10644821775_e59fe9c1f0

ゆるキャラブームと商標登録の傾向と対策

「ゆるキャラ®」の生みの親であるみうらじゅんさんの著書「「ない仕事」の作り方」を読みました。

記事を読む

118662783_d26ca013a7

「湯~とぴあ」を独占?事例に学ぶ事業エリアと業界キーワードと商標登録の関係

商標とは、社名や商品名などいわゆるビジネスの看板(目印)となるものです。主に、ネーミング、ロ

記事を読む

02
コロプラを訴えた任天堂特許戦略の考察

  2018年も新年早々、知的財産関連のビックニュース

20170127tmd01
ピコ太郎さんも驚きの商標トラブル!エイベックス社が巻き込まれた状況を図解

  ピコ太郎さんの話題は2017年になってもまだまだ衰

20101606281_259b4e6f8c
社外弁理士に存在価値はあるのか?

先日(2016/5/16)の日経新聞に、「企業の枠越え 法実務

14561581102_472fb7425c (1)
コンサル重視に転換する製造業に期待すること

先日(2016/5/9)、「日立、営業2万人増員 コンサル重視

26443844932_c18ddab420
地域の知財活動に役立つサイトまとめ

日本では、特許庁が知的財産(以下、「知財」)の取りまとめをして

→もっと見る



PAGE TOP ↑