スタートアップの継続に必要なのに軽視されがちな商標の新・3大リスク
商標は、ネーミング・ロゴ・キャッチフレーズ・図形・立体的なモノを示す総称で、ビジネスにはかかせないものです。なぜならお客さまは商標を見てどこの商品やサービスかを判断するからです。
そんな大事な商標を登録するということは、ビジネスの信用を守ることにつながります。つまり商標を見ただけでお客さまが集まり、モノやサービスを買ってもらえるということは、商標自体に信用があると言えるわけです。
そんな大事な大事な商標をほったらかしにしていていいわけがなく、まずは真似されても文句が言えるようにしておくべきです。そこでスタートアップで軽く見られがちな商標の新・3大リスクをご紹介します。
リスク1.地雷を踏む
地雷とは、だれが登録した商標のこと。誰かに先に登録された商標(地雷)と同じ商標を使うと、その地雷が爆発してしまいます。つまりスタートアップを継続できなくなってしまうリスクが潜んでいます。
以前、堂島ロールで有名な株式会社モンシュシュ(現:株式会社モンシェール)が、商標「モンシュシュ」を使ってケーキを売っていたところ、先に商標「モンシュシュ」を登録していたゴロンチャフ製菓株式会社から商標「モンシュシュ」の使用停止と損害賠償を要求されました。
結局、株式会社モンシュシュは5140万円の賠償金を支払うはめになったばかりでなく、社名を株式会社モンシェールに変更することになってしまいました。
リスク2.先にとられる
商標登録は早い者勝ちです。しかも特許と違い、技術をオープンしたらとれなくなる、というものではありません。つまり大切な商標をだれかに先に登録されてしまうリスクがあります。
当然、先に商標を登録されてしまったら、その商標を使えなくなります。だから商標「じぇじぇじぇ」が先に登録されてしまったら、NHKは商標「じぇじぇじぇ」をお菓子のパッケージに表示できなくなってしまうわけです。
もし先に商標を登録されてしまったことをスタートアップのリリース後に知ったら、地雷を踏んでしまうことにもなります。
リスク3.一般化する
大切だから商標を登録したところまではいいのですが、そこで安心してはいけません。商標も管理していないと、その価値がなくなり一般名称になってしまうリスクがあります。
リリース当時、商標「味の素」は料理の業界でとても価値がありました。わかりやすくシンプルで、かつインパクトがあるからです。だからみんなに味を引き立てる調味料といえば「味の素」と代名詞のように使われてしまったため、その価値がどんどん下がり、一般名称になりかけました。
その危機を察した味の素社は、その後®(Rマーク)をつけるなど商標「味の素」を管理したことで、一般名称化を防ぐことができました。
≪まとめ≫
スタートアップだけでなくビジネスを継続するためには商標のリスク対策をぜひオススメします。
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2013年11月27日
著者 ゆうすけ
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