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企画書とタイトルのまとめ-第5回販促会議企画コンペ受賞作品計21個

公開日: : 最終更新日:2014/01/04 ネーミング開発 ,

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©販促会議

 販促会議企画コンペティションは1年に1回行われ、今年で5回目となりました。協賛企業は16社。応募総数1926件の中から選ばれた受賞作品はいずれも魅力的な企画です。

また企画の魅力を引き立てるのが企画書のタイトルです。多くの企画書の中で目立つには、タイトルで先手を打つべきです。また企画のコンセプトがタイトルに乗り移ると、それだけで共感力がアップするでしょう。

そこで2013年に行われた第5回販促会議企画コンペティション受賞作計21個の企画書とそのタイトルをまとめました。

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「おいしい欠席~あなたの代わりが届きます」


©高阪まどか/米澤雅晃/吉澤香織

グランプリ受賞作。課題は、ドミノ・ピザの注文数を増やすアイデア。

パーティーやイベントなど欠席してしまうかわりに、一工夫した画像をそえたピザを届ける企画です。「おいしい欠席」の「おいしい」からは、ピザが「おいしい」のと、欠席者がある意味「おいしい」というダブルの意味が伝わると想います。

「ビジネスマンを、日経新聞電子版を、ちょっと上向きにする」


©原口亮太/伊藤健一/青柳荘平

ゴールド賞受賞作。課題は、若いビジネスパーソンが日経新聞を購読したくなるようなアイデア。

出張先の地域の空をスマホやタブレットのカメラアプリで画面に表示すると、その地域ならではの情報(過去の記事など)が掲載される企画です。ちょっと上向きにする」というフレーズには、ビジネスパーソンを応援する想いも込められていると想います。また「日経ソラ欄」は、「空」をカタカナの「ソラ」にしたことで透明感が伝わってきます。

「ハピノワ」


©三島伸康/山口明希子

ゴールド賞受賞作。課題は、男女にピノの購買喚起を拡大させるアイデア。

子どもや孫をもつ親向けに、デコレーションとリングをつけてピノが子どもや孫をかわいくするツール(指輪)とした企画です。ハピノワ」は「ハッピー(幸せ)の輪」と「ピノ」をうまく組み合わせてコンセプトが伝わるタイトルだと想います。

「若い2人の幸せをサポートするSWEET10プロモーション」


©桃原良太郎/岩佐光恵/坂中真人

シルバー賞受賞作。課題は、西川リビングのオーダーメイド枕「快眠ひろば」のプロモーションアイデア。

結婚祝いの新しいギフトとしてオーダーメイド枕を贈る企画です。幸せのマリッジ・ピロー」はそのままで意味がわかりやすいです。

「たびチェキ」


©下枝弘樹/齋藤 恵

シルバー賞受賞作。課題は、カップルがチェキを使いたくなるようなアイデア。

写真をそのまま入れられるガイドブックとチェキをセットで販売する企画です。たびチェキ」はシンプルだし、写真付きのガイドブックで「旅をチェックする(振り返る)」という意味も込められていてステキだと想います。

「月刊うちのマゴ」


©中田雅巳/吉村 徹/市川真由美/吉田大悟/金田恭一/小野英紀

シルバー賞受賞作。課題は、思い出を写真で贈りたくなるアイデア。

両親やご近所とコミュニケーションをはかれるよう、孫の写真を月1回のペースで自分の親に贈る企画です。月刊うちのマゴ」もわかりやすいタイトルです。これが送られてきた親はたしかにご近所に自慢したくなるかもしれません。

「すき焼きに自由を!!」


©田村香穂理/小塚仁篤

協賛企業賞受賞作。課題は、エバラすき焼きのたれですき焼きを作りたくなるアイデア。

すき焼きは特別な日だけでなく、好きなときに食べたくなるようレシピやキャンペーンなどを提供する企画です。すき焼きに自由を!!」を一言で「好き焼き」と表現した点がオモシロいと想います。

「貴女のバスタイムをもっと濃密に・・・」


©矢島慎也/河上裕史

協賛企業賞受賞作。課題は、牛乳石鹸「バウンシアボディソープ」の販促アイデア。

20~30代の女性がバスタイムをより大切にしたくなるように、例えばAR機能を活かしスマホのカメラアプリでバウンシアボディソープのパッケージを画面にうつすと執事が浮かび上がってくる企画です。バスタイム執事」が女性の優越感を高められるかがカギになるのではないでしょうか。

「企業力検定」


©坂口浩司

協賛企業賞受賞作。課題は、ケイ・オプティコムのITサービス「オフィスeo光」の導入を促進するアイデア。

企業力検定(キャンペーン)をきっかけけに、中小企業にIT環境を導入する動機を与える企画です。一見ITサービスとは関係のない「企業力検定」という切り口から、サービス導入の必要性を感じさせるシナリオになっているのではないでしょうか。

「ゼロおつまみ」


©北川秀彦/細川美樹/川口紀光/山中 聡/今泉拓也/鈴木寛之/塩崎亜利紗/渡邊彩乃/木村 亮/森奈穂子/津田真希/西原 遼

協賛企業賞受賞作。課題は、月桂冠「糖質ゼロ」の販促アイデア。

カロリーゼロのおつまみ(さしみのようなこんにゃく、ハムのような豆腐など)を商品のおまけにする企画です。糖質ゼロ」と「カロリーゼロのおつまみ」がマッチングしてわかりやすいです。

「CampusBOX」


©飯田麻友/大和田健太/山田英理人

協賛企業賞受賞作。課題は、キャンパスノートのブランドコミュニケーションアップのアイデア。

成長する上で大切なノートを捨てずに積み上げ目標達成に近づけるツール「CampusBOX」の企画です。「CampusBOX」という自分の努力が可視化できるツールをそのままタイトルにしている点で伝わりやすいかもしれません。

「一期一会システム」


©小島雄一郎/湧川晶子

協賛企業賞受賞作。課題は、千趣会のデジタルカタログアプリのダウンロードを促進するアイデア。

1日1回、アプリを起動してスマホをシェイクすると自分にあった商品を提案してくれる企画です。一期一会」を“運命の商品との出会い”にひっかけたナイスタイトルだと想います。

「ナンポ?割」


©佐久間亮介/船隈大樹

協賛企業賞受賞。課題は、アクティブシニア層がデパートに行きたくなるアイデア。

デパートの入り口で歩数計を渡して歩いた分だけ割引サービスを提供する企画です。「〇〇割」はメジャーですが、「ナンポ?」とチャレンジしたくなる欲求をかきたてるタイトルだと想います。

「Pizzer Forecast」


©高良 翔/小島翔太/小暮菜月

協賛企業賞受賞作。課題は、ドミノピザのネット注文を増やすアイデア。

ドミノピザ(Domino Pizza)と天気予報(Weather Forecast)をドッキングして、気温・降水確率・注意報(花粉、熱中症ほか)などからドミノピザの割引(〇〇%OFF)を提示する企画です。「Pizza」と「Weather」を組み合わせて「Pizzer」とし、それと「Forecast」につなげて「Pizzer Forecast(ピザ予報)」としたのが斬新です。

「〇〇よりもあたたかい」


©坂口浩司

協賛企業賞受賞作。課題は、トヨトミの石油ストーブ「ダブルスクリーン」の拡販アイデア。

日常にある「〇〇」よりもあたたかく、恋人の手と同じくらいあたたかいというイメージを伝える企画です。「〇〇」とすることで想像力が膨らむように工夫してあると想います。

「ミライ日経」


©外川敬太/鍬のどか

協賛企業賞受賞作作。課題は、若いビジネスパーソンが日経新聞を購読したくなるようなアイデア。

自分のスケジュールアプリに入力した内容をキーワードとして認識し、最適な情報を提供する企画です。ミライ日経」というタイトルが「未来日記」みたいでいいし、コンセプトとも合っていると想います。

「Only One Weddingチェキ」


©内藤美菜子

協賛企業賞受賞作。課題は、カップルがチェキを使いたくなるようなアイデア。

結婚式当日だけでなく準備のときからチェキを活用できるようにウェデンググッズ(ウェルカムボードなど)とセットで販売する企画です。「Only One Wedding」というフレーズが、自分だけのオリジナルウェディングを演出してくれるイメージがします。

「贈って笑顔を重ねよう 旬お届けcalendar」


©中田静香

協賛企業賞受賞作。課題は、思い出を写真で贈りたくなるアイデア。

自分の親に孫の写真付きカレンダーを毎月届ける企画。「旬お届けカレンダー」の「」の部分で、被写体(孫など)のリアルタイムな写真が届くという意味が感じられます。

「メッソージ」


©林 花織 /浅沼 舞/板津奈々美/古田千佳/星野明香/横井悠子/石黒萌美/中畑晴菜/兵藤久美子/平野花織

協賛企業賞受賞作。課題は、ガソリンスタンドの来店のきっかけとなるアイデア。

メッセージ付きの雑巾で窓拭きすることでスタッフとお客さまとのコミュニケーションを図る企画。「メッセージ」と「掃除(そうじ)」を組み合わせた「メッソージ」という新しいコトバのタイトルはオモシロいと想います。

「ピノレター」


©中川美沙/佐藤裕介

協賛企業賞受賞作。課題は、男女にピノの購買喚起を拡大させるアイデア。

ピノのケース(6か所)にあわせてカートリッジ式の用紙に一文字ずつ書いてメッセージを伝える企画。「ピノ」と「レター(手紙)」を組み合わせた「ピノレター」という試みを表すわかりやすいタイトルです。

「採用通知くださぁ~い!」


©有田大作/田村未宇/西岡 恵/高橋成一郎/廣部 功/池田雅之/市村好信

協賛企業賞受賞作。課題は、ライオン「ルックおふろの防カビくん煙剤」の初めての1回を使ってみたくなるアイデア。

キャラクター「防カビくん」を設定し、商品を使ってみた主婦が効果を実感して「防カビくん」を採用したいかどうかをアンケート集計した結果を公開する企画。タイトルだけだとなんの企画だかわからない点もひょっとしたらいいのかもしれません。

≪ピッタリナまとめ≫


企画書のタイトルは、その企画の内容を集約したものであり、それを見ただけで内容を知りたくなるようなものが理想的です。審査員の講評としては、三つの「そう!」①実現できそう!②話題になりそう!③売れそう!が評価基準(石田琢二氏)、行動のツボの発見とそれを押す魅力的なデザイン力が受賞作品にはある(黒澤高次氏)、企画はチャーミングな要素があると強い(嶋浩一郎氏)などがありました。これらを意識して企画書を作成すると、人々に感動をあたえるものになるかもしれません。

トッププロモーションズ販促会議 2013年 11月号 [雑誌]

2013年10月4日

著者 ゆうすけ

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