ぼくが失敗した弁理士3次試験までの間違った6つの過ごし方と解決法
2013年の弁理士2次試験(論述式)の合格発表が9月27日にありました。合格人数は490人。合格率は23~24%くらいでしょうか。 しかし1次試験で合格人数をグッと絞ったことから、波乱の年となっています。
3次試験(口述式)は10月18日(金)からはじまります。最終合格発表は11月7日(木)。もうひとふんばり、受験生の方にはぜひがんばってほしいです。
そこで3次試験を1度落ちたぼくなりの理論に基づいて、弁理士3次試験(口述試験)までの間違った6つの過ごし方と解決法をまとめました。
<この記事の目次>
間違い1.口述試験の過去問ばかりで勉強してしまう
間違い2.口述試験練習会に行きまくる
間違い3.今年の1次・2次試験の復習をしない
間違い4.条文を暗記しまくる
間違い5.いろいろな参考書を持ち歩く
間違い6.本番をなめてるかかる
間違い1.口述試験の過去問ばかりで勉強してしまう
2次試験の合格発表まで3次試験の勉強に手がつかなかった人や、2次試験の合格をあきらめていたため急いで3次試験対策をはじめた人など、少なくはないと思います。
とくかく時間がない><!っと、焦っているでしょう。そのためひたすら口述試験の過去問(再現集)で勉強してしまう受験生がけっこういます。
しかしこれは危険です。口述試験の過去問は、実際に試験を受けた受験生から集めた情報に過ぎず、正確な回答ではないものも含まれているからです。
メイン教材は、条文集と青本です。このことはどの受験期間でも同じように言われていると思います。口述試験の再現集は、条文や趣旨のキーワードの確認程度に使うことをオススメします。
間違い2.口述試験練習会に行きまくる
口述試験までの間に、弁理士の各会派が練習会を開いてくれます。早めに申し込まないと定員オーバーになってしまうため、予約も必死です。そして気づけば、試験直前まで口述練習会に出席している受験生もいます。
口述練習会の問題は、ほとんど口述試験の再現集を基にして、会派の弁理士が作成しています。つまり過去問をちゃんと解けるかを確認する場に過ぎません。
もちろん、試験官を前にして口述するいい練習にはなります。しかし試験官の弁理士は、受験生に自信をつけさせることにも気を配っています。だから仮想本番にはしにくいのです。
口述練習会は2~3回で十分だと思います。練習会の質の問題ではなく、むしろ時間がもったいないからです。ムダに練習会へ行くなら、その分、条文と青本での勉強に時間を割くことをオススメします。
間違い3.今年の1次・2次試験の復習をしない
これは意外に盲点だと思います。口述試験の練習に気が向いて、短答試験や論文試験の復習をおろそかにしがちです。もちろん時間がないのはわかります。
しかし3次試験に1次・2次試験の問題がでないという保証は全くありません。全く同じ問題ではないものの、1次・2次試験で解けなかった問題に関連することを問われる可能性は十分あります。
新たな知識を増やすより、曖昧な知識を固めることのほうがよっぽど大切です。3次試験では曖昧な回答は認めてくれないからです。
間違い4.条文を暗記しまくる
確かに近年では条文を一字一句間違えないように言えないと許してくれない試験官もいます。ぼくもそれでやられたため、2回目は条文の暗記には力を入れました。
しかし本当に大切なのは、条文のキーワードを一字一句言えることです。主なキーワードとは、主体・客体・時期・手続・効果です。これは1次・2次試験でも沢山勉強したはずです。
というか、残り3週間弱で記憶できる条文の数はたかがしれてます。そして覚えたと思ったらすぐ忘れる、結局その繰り返しです。なので、条文を丸暗記するのではなく、キーワードの文言とそのキーワードが出てくる条文上の位置を暗記することをオススメします。
間違い5.いろいろな参考書を持ち歩く
あれもわからない、これもわからない、だから参考書を片っ端から持ち歩いて勉強する。この姿勢は素晴らしいです。
しかし試験勉強の鉄則は、自分がわからないことがなんなのかをしっかり理解してそれを確実につぶすことです。参考書をたくさん持ち歩いて勉強すると、それで勉強した気になってしまい、気づけば記憶が定着してなかったことはよくあります。
自分にとってわからないことを明確にするには、情報の一元管理がオススメです。四法対称条文集で一元管理していない人は、手持ちの条文集でキーワードにチェックいれたり青本の趣旨のキーワードを書き入れたりするといいと想います。
間違い6.本番をなめてるかかる
どんなに知識が豊富でも、本番で力を発揮しきれずに合格できない人はたくさんいます。最近では口述試験もいわゆる“落ちる試験”と言われていますが、それでも1次・2次試験よりは合格率が高いため、気がゆるみがちです。
本番をなめてるかかると、追い込まれたときに力を発揮できないと思います。火事場のクソ力というか、ピンチになったときどう乗り越えるかも最終試験では試されているのではないでしょうか。
そこでオススメなのは、イメージトレーニングです。口述練習会でも知人同士の練習でも、常に本番で受けている意識を自分でつくること、つまり自分の回答の言い方、質問の仕方、問いを聞く姿勢、目線、最初と最後のあいさつなどで、もったいないところでマイナス点がつかないようにすべきです。
≪ピッタリナまとめ≫
最初で最後の3次試験にしていただきです。1度失敗したぼくが思うに、受験生の皆さんには無駄に1年を過ごしてほしくないと想っています。もちろん勉強するいい機会にはなりますが、他に勉強することは今後の人生で山ほどあります。試験勉強は通過点に過ぎません。いち早く合格して、知的財産の世界を一緒に盛り上げていきましょう!
2013年9月27日
著者 ゆうすけ
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