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沖縄の地域ブランドを活かそう!「沖縄シークヮーサー」商標登録申請へ。

公開日: : 最終更新日:2014/11/15 商標トレンド ,

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photo credit: kirainet via photopin cc

「シークヮーサー」といえば沖縄を想い出す方が多いのではないでしょうか。

そもそも「シークヮーサー」とはミカン科のかんきつ類。沖縄方言で、「シー」は「酸(または酢)」、「クヮーサー」は「食わせるもの」で、「シークヮーサー」とは「酸を食わせるもの」という意味になります(Wikipedia調べ)。

そして先日、沖縄県農業協同組合(JAおきなわ)が「沖縄シークヮーサー」を商標登録申請したと報じられました。しかも地域団体商標で。これは類似品と差別化してブランド力を強化するのが狙いです。

以前、ご当地名物を守るためには商標登録が必要な3つの理由という記事でも書きましたが、地域ブランドを活かすには商標登録が必須条件といっても過言ではないでしょう。

そこで沖縄県のシークヮーサーに関する現状と地域ブランドの保護・活用に関する動きについてまとめました。

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・シークヮーサー商品の販売実態-安い外国産(台湾など)の流入

インターネットで検索すると、シークヮーサーやこれ原料とするドリンク類が多数販売されています。

©Google

ザッと見た限り、「沖縄県産」と書かれているものの、本当に沖縄県で育ったシークヮーサーが使われているのかはわかりません。「果汁100%」という表示も、沖縄県産100%なのか、沖縄県産と台湾産のブレンドなのかわかりようがありません。また単に「シークヮーサー」と表示されたものは、台湾産が多いそうです。

実際、沖縄県産より台湾産のほうが多く出回っているとか。そのため台湾産は沖縄県産より安く売っており、表示が紛らわしいと沖縄県産と思いきや台湾産だったという事態も起こりかねません。

・沖縄県の取り組み

沖縄県では既に沖縄シークヮーサーのブランドを保護しようとする活動していました(以下、既存の商標登録の内容)。

しかしこの商標登録は図形部分(シークヮーサーの絵)は守れるものの、「おきなわシークヮーサー」という文字自体は守れません。つまり誰でも「沖縄シークヮーサー」という表現を使うことができるため、ブランドの保護には至っていないということです。

一方、沖縄県で活動している組合など14団体は、地域ブランドの保護を強化するため地域団体商標をとっています。

©沖縄地域知的財産戦略本部

例えば「琉球泡盛」は、沖縄県酒造組合連合会により商標登録されており、「琉球泡盛」と表示するには、各地域にある酒造組合に加入する必要があります。これにより沖縄県外で生産された泡盛との明確な差別化をはかっています。

・今後どういう活動が必要か?

 しかし商標登録すればブランド化できるわけではありません。その点について沖縄県酒造組合連合会も以下のように述べています。

連合会では、これまでも県外や海外において積極的に様々なキャンペーンやイベント、試飲会などの販売促進のための活動を行ってきましたが、こうした活動の中でも地域団体商標を取得した事実を広く紹介しています。たとえば、先ほど全国各地に泡盛同好会があると言いましたが、その定例会等でも今般の「琉球泡盛」という地域団体商標の取得、今後のブランド戦略の強化・推進などについて報告しています。連合会では今後も様々なイベントの機会に、広くブランドを広める努力を続けていくつもりです。(引用:目指せ!ブランド確立!先進団体に聴く地域ブランドの極意 第5回「琉球泡盛」

商標登録は、地域ブランドを守る権利に過ぎません。モグラたたきでいえば、出てきたモグラ(模倣業者)を叩けるだけです。しかし出てきたモグラを叩けなければ、モグラが次から次へと出てきてしまいます。つまり模倣業者の中に本家が埋もれてしまうのです。したがって地域ブランドを守る権利をちゃんと持つことも必要です。

一方、地域ブランドを活かすには、「琉球泡盛」のようなプロモーション戦略が必要です。最近では、「おんせん県」を商標登録できなかったことをネタにした大分県のプロモーション戦略が目立ちます。つまり認知度をあげることが地域ブランドを活かすことともいえそうです。

≪ピッタリナまとめ≫

沖縄県には日本を代表する名産が沢山あります。しかしその保護と活用はまだ不十分なのかもしれません。商標登録することでブランドを守りつつ、プロモーション戦略によりブランドを攻めに活かす試みが地域経済の活性に必要だと想います。

 2013年9月26日

著者 ゆうすけ

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