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鉄道系ICカードの由来/意味のまとめと意外な3つの共通点

公開日: : 最終更新日:2014/01/04 ネーミング開発

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photo credit: youthkee via photopin cc

ICカードとは、集積回路(IC)を組み込んだカードのことです。また「IC」とは、「Integrated Circuit(インテグレーテッド サーキット)」の略。

日本国内のICカードといえば、2001年にSuica(すいか)がJR東日本に導入されました。これにはソニーが開発したFelicaフェリカ:非接触型ICカードの技術方式)が搭載され、電車の乗車カードとしてイノベーションを起こしました。

それ以降、各地の鉄道にもICカードが使われるようになりました。そこでICカードのネーミングの由来を調べてみたところ、いろいろオモシロい意味がありました。しかも主なICカードのネーミングには意外にも共通点があったのです^^

というわけで、主な鉄道系ICカードの由来/意味のまとめと意外な3つの共通点をまとめました。ちなみに「Felica」は「Felicity」と「Card」とを組み合わせた造語です。

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Kitaca(キタカ)®


JR北海道が2008年10月25日に導入したICカード乗車券です。

Kitaca(キタカ)は北海道の「北(キタ)」の「カード」という意味があります。

SAPICA(サピカ)®


札幌市交通局が2009年1月30日から札幌市営地下鉄に導入したICカード乗車券です。

「SAPICA(サピカ)」の「SPA」は「SAPPORO(札幌)」の最初の3文字で、「サッと取り出して、ピッと利用できるIC CArd」という意味があります。

Suica(スイカ)®


JR東日本が開発して2001年からJR東日本管内のエリアでサービスを実施しはじめたICカード乗車券です。

Suica(スイカ)は「Super urban intelligent card(超都会な知的カード)」の頭部分を組み合わた造語で、「スイスイ行けるICカード」の意味もあります。果実のスイカをモチーフにしたマークや色合いが特徴的です。

TOICA(トイカ)®


 

JR東海が2006年11月25日から名古屋地区に初めて導入したICカード乗車券です。

TOICA(トイカ)は、提供する在来線のIC乗車券サービスの総称である「TOkai Ic CArd(東海ICカード)」の頭部分を組み合わせた造語です。

ICOCA(イコカ)®


JR西日本が2003年11月1日からアーバンネットワーク(大阪近郊在来線群をまとめて呼んでいた愛称)で運用が開始したICカード乗車券です。

ICOCA(イコカ)は、「IC Operating CArd(ICオペレーティングカード)」の頭部分を組み合わせた造語で、関西弁の「行こか」(標準語で「行こう」)の意味もあります。

 manaca(マナカ)®


エムアイシーと名古屋交通開発機構が展開するICカード乗車券です。

manaca(マナカ)とは、「真ん中(まんなか)」の語呂合わせで、「日本の真ん中をつなぎ、くらしの真ん中をつなぐICカード」をコンセプトとしています。

 nimoca(ニモカ)®


西日本鉄道(西鉄)を中心に九州北部地域の鉄道・バスで導入されているICカード乗車券です。

nimoca(ニモカ)は、「nice money card(ナイスマネーカード)」 の頭部分を組み合わせた造語で、「バスにも、電車にも、買物にも、いろいろ使えるオールラウンドなカード」という意味もあります。ちなみに「ni」は「nishitetsu(西鉄)」の頭部分とかけています。

意外な3つの共通点 


もう お気づきかもしれませんが、あらためてまとめると見えてくる3つの共通点がこれです。

1.「〇〇ca」

これは見たまんまですね。つまり「card」の「ca」をつけることで、カードのネーミングであることを伝えていると思います。

2.カタカナ3文字で読める

これも一目瞭然です。3文字は歯切れがよく、記憶もしやすいです。

3.その土地のコトバを入れている

これがなかなかオモシロい!

Kitaca(キタカ)⇒北海道の「北(キタ)
SAPICA(サピカ)⇒「SAPPORO(札幌)」の最初の3文字
・Suica(スイカ)⇒「urban(都会的な)」
TOICA(トイカ)⇒「Tokai(海)」の最初の2文字
ICOCA(イコカ)⇒関西弁の「行こか
manaca(マナカ)⇒「日本の真ん中」の語呂
nimoca(ニモカ)⇒「nishitetsu(西鉄)」の最初の2文字

≪ピッタリナまとめ≫


鉄道各社それぞれ地域活性化を狙ったネーミングをつけています。共通点全てがあてはまらないICカード(PiTaPa(ピタパ)やPASMO(パスモ)など)もありますが、少数派のようです。その土地ならではのコトバを活かすと伝わりやすいと思います。

2013年8月26日

著書 ゆうすけ

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