弁理士試験に落ちたとき、私が考えたポジティブシンキング3つの心得
6月14日に、弁理士資格の一次試験の合格発表がありました。2013年の一次試験の合格人数は、423人。受験者数が4734人なので、合格率は約10%です。一方、近年の一次試験の合格率は、昨年が26%、一昨年が30%です。
すでにおわかりのとおり、弁理士試験の合格人数を減らす動きがあるのは明らかです。減らす理由はおおむねわかりますが、ここでは触れません。それよりも難易度の高い弁理士資格に果敢に挑んだものの、力及ばなかった受験者の方々にエールを送りたいのです。
そこで、弁理士試験に落ちたとき、私が考えたポジティブシンキング3つの心得をまとめました。
心得1 努力が結果につながるとは限らない
真面目な人ほど、不合格の十字架を背負ってしまいがちです。私もそうでしたが、とにかく悔しくて悔しくてたまらなかったです。なぜあんなミスをしたのか、なぜあそこを勉強しなかったのか、いろいろ考えました。めちゃくちゃ勉強したのに結果を出せなかった自分を責めたときもありました。
しかし弁理士試験の受験生には、日本トップクラスの大学出身者がゴロゴロいます。つまり頭脳集団と真っ向勝負するわけです。プロフィールにも書きましたが、私は必死に勉強してようやく某私大に合格したレベルです。テストははっきりいって苦手でした(特にマークシート方式)。
それに弁理士はマイナーなものの、最難関な国家資格の一つなので、相当の“重み”があります。まさか自分が国家資格にチャレンジするなんて、夢にも思いませんでした。
だから努力したからといって、それが結果に結び付くとは思わないようにしたのです。ある種、ダメで元々と楽観的に考えていました。私にとってはそれくらいでちょうど良かったです。これにより、プラッシャーを感じずニュートラルな状態で日々を過ごし、成績ものびていきました。
心得2 想えば叶うと信じ続ける
私は受験時代から、弁理士になる理由を明確にしていました。プロフィールにも書きましたが、中小企業や個人事業主の方々を支援したいという強い理由です。だから試験に落ちてもそのショックから直ぐに立ち直り、合格発表日の翌日から次の年の試験に向けて勉強を再開できました。
一次試験で落っこちても、二次試験が終わるまでは、二次試験の勉強をしていました。なぜなら二次試験に落ちた人たちと、次の年で戦うことになるからです。一次試験から二次試験までの間に力の差をつけられてしまうわけにはいきませんでした。
仕事をしながら受験勉強もしていたため、時間的に厳しい日々が続きました。でも辛いときこそ弁理士になる理由や弁理士になった後をイメージしていました。このように想うことで、夢や目標が実現するのだと思います。
心得3 最後まで気を抜かない
勝負の分かれ目は、これに尽きると思います。私はこの心得を常に意識していたから弁理士試験に合格できたと思います。
本番では多くの人がパニックになる瞬間があります。問題を読んでもさっぱりわからない、答案用紙を裏表逆にして書いていた、手が振るえて字が書けない、などなど。このようなパニックにおちいったときどうすればいいかといえば、初心に帰るしかありません。いつも勉強していたとおり、落ち着いて取り組めば、必ず道が開けます。
一方、余裕、楽勝、合格したも同然、という気の緩みが命取りになりかねません。合格発表日に自分の受験番号を見るまでは、合格していないのです。
最後まで気を抜かないこと。これは試験当日だけではありません。練習のときでも本番を想定して取り組むべきです。そうしなければ試験本番で100%のパフォーマンスを出すことはできません。練習を120%の気持ちで取り組むからこそ、本番で本来の力が発揮できるのです。
こう思うことで、勉強に対する姿勢も変わり、限られた時間で最大の効果を出せるようになりました。
まとめ
弁理士試験は最難関の国家資格の一つです。簡単なわけがありません。合格した人たちはそれなりに時間とお金を費やしています。だから残念な結果でも、決して自分を責めないでほしいのです。まずはがんばった自分をほめてあげてください。
2013年6月15日
著書 ゆうすけ
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