駅前モノづくりといえばDMM.make!ヤル気さえあれば技術も設備もコネもいらない
一昔前、英会話を学ぶなら「駅前留学」のコピーで一世風靡したスクールがありましたね。それが今では、「駅前モノづくり」というすごい時代になりました。
昨日、レビューズのオープンプレスカンファレンスvol.2(以下、「プレカン」)にて、秋葉原にあるDMM.makeに行ってきました。モノづくりに関わる端くれとして、念願が一つ叶いました。
DMM.makeのメリットについてはブログでご紹介しましたが、今回のプレカンではディレクターの方のプレゼンテーションのみならず、スタートアップが気になりそうなことをコッソリきいてきました。
そこで、DMM.makeの最新情報(プレゼン内容)のレポートと、個別に聞いたQ&Aをまとめました。
クラウドソーシングが進化した!技術者の発掘も!
6月25日にサービスをリニューアルしたDMM.makeクラウドソーシング(上記画像はキャプチャーの一部)。
一言でいうと、技術(知識)、設備(工場)、コネ(人脈)がなくても、ヤル気(強い意思)さえあれば、ハードウェアスタートアップとして活動できようになったんです。
既存のクラウドソーシング(C社、L社など)は、ピンポイントの発注がウリではありますが、ワンストップでモノがつくれるかというと、ちょっと厳しいのではないでしょうか。
その点、DMM.makeでは、ピンポイントの発注のみならず、全プロセスの発注が可能になりました。
例えば、ぼくがハードウェアスタートアップ起業家として、一人で活動を開始したくなったら、DMM.makeを利用すると、企画→設計・開発→製造→検証→販売までサポートをしてくれるわけです。
しかも、DMM.makeの利用者のコミュニティにより、探し人(一緒に活動したい人)を紹介し合ったりなんかもあるそうです。業界内でも不足しているソフトウェア技術者(特に、組込系)の発掘もできるかもしれません。
さらに、ハードウェアスタートアップとして活動しながら、ピンポイントで仕事を請けたい場合には、請負業者として収入も得られるということです。資金難のスタートアップとしては助かる仕組みでしょう。
また、このクラウドサービスは、仕事を発注したい企業も利用できます。たとえば、アイデアはあるけど生産機能がない企画会社や商社にとっては、新規事業の立ち上げもしやすくなったのではないでしょうか。
ちなみに、オリジナルのフィギアをつくって欲しい!など、個人的な単発注文もできます。そんなときも、DMM.makeにいるデザイナーさんがサポート(原図の補正など)してくれるので、手続も簡単だそうです。
とにかく、何かつくりたい!と思ったら、秋葉原駅前(厳密に言えば徒歩3分くらい?)のDMM.makeに相談してみてはいかがでしょうか。3Dプリンターの解説本(マンガ)もつくっちゃったそうくらい手厚いサポートが期待できそうです(下画像)。
利用する前に聞いておきたい3つのQ&A
そうはいっても、まだよくわからないな~という方のために、ぼくが気になった利用する前に聞いておきたい3つの質問をディレクターさんに聞いてきたので、ご回答内容と共にご紹介します。
質問1:工場見学はできるの?
ずばり、できます。利用する前に下見はしたいですよね。以前は予約なしでいけたようですが、6月から予約制になりました。3Dプリンターなどがあるフロアとオフィスフロアを見学できるようです。
使える装置や施設の雰囲気を確認するのはもちろんですが、スタッフさんにDMM.makeの活用法なんかも聞いてみるといいんじゃないでしょうか。
質問2:外部企業からの逆オファーはあるの?
モノづくりビジネスする前に気になることといえば、商品が売れるかどうか?ですよね。ぼくもよく相談されるのが、特許の使用料収入を得るにはどうすれがいいか?ということ。
どちらにも共通して言えるのは、商品が注目されない限りは売れない(特許の使用料収入も不可)ということです。つまり、商品のみせ方(告知、宣伝、説明等)が大事です。
その点、DMM.makeには、つくったモノをウェブ販売できるマーケットプレイスやクラウドソーシングもあるため、企業も売れるタネ(商品など)を探しにきたりしているそうです。
そのため、詳しくは教えてくれませんでしたが、外部企業からの逆オファー(コレボなど)もあるといいます。スタートアップとして注目されれば、資金調達もしやすくなるため、逆オファーは事業戦略の一つの切り口でしょう。
質問3:DMM.makeで生まれた発明は特許とれるの?
最後に、やっぱり弁理士として、というか、このブログのメインテーマなので、聞いてみました。というのも、スタートアップってどうしてもスピード勝負なので、特許とかって意識が低いと思うです。
でも、今までにないアイデアやデザインなら、はじめから特許は考えるべきです。出口戦略として特許は有効なツールになるからです。しかも、特許は出すタイミングも重要です。
オープンなスペースなので、ポロッと極秘情報が流れちゃって、本来ならとれるはずの特許がとれなくなってしまう、という残念な結果になってしまうのは防ぐべきだと思うんです。
その点、特許についても積極的にフォローしてくれるそうです(ただし、DMM.makeの利用契約をしている場合に限ります)。DMM.make内に特許など知的財産を扱う部門があるので、安心してモノづくりできそうです。
≪まとめ≫
実際に訪問して、個人的にも前より興味が湧いたし、今後も継続してDMM.makeの活動はウォッチしたいと考えています。それにしても、本当に「駅前モノづくり」の時代になったんですね~。
<参考> DMM.make サービスプラン / DMM.make 施設情報
2015年7月1日
著者 ゆうすけ
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