『ビスコ』の由来/意味-商品の成分+省略+逆読み
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最終更新日:2014/01/03
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【商品の特徴を活かして大ヒットした商品のネーミング戦略とは?】
ネーミングのテクニックはいろいろありますが、まずは商品やサービスをそのまま言葉にしてみて考えるのも一つの手段です。商品そのものに特徴があれば、その特徴はネーミングに活用すべきだからです。それだけで独自性が生まれるはずです。
しかし表現の工夫は必要です。商品の特徴を入れることで、ネーミングに“かたさ”が生じてしまうからです。つまり共感されない(つまらない)ネーミングになってしまっては本末転倒です。
商品の特徴を活かして大ヒットした商品のネーミングの一つが、お菓子の『ビスコ』です。
そもそも『ビスコ』の研究は、1930年(昭和5年)から開始されました。江崎グリコの創業者・江崎利一氏は 「胃腸の機能を良くし、消化吸収作用を盛んにする 」 という効果が発表された酵母をビスケットに入れることを考えました。しかし酵母は熱に弱く高温になると死んでしまうため、焼き菓子には向いていないと指摘。そこで江崎氏は、クリーム部分に酵母を入れることを発想し、クリームサンドビスケットとして「酵母入りビスケット」が開発されました。
このような画期的な発明でも、ネーミングの良し悪しで商品の売れ行きが変わってしまいます。「酵母入りビスケット」だと、お菓子というより健康食品というイメージがしませんか?
そこで当時は以下のようにネーミングが検討されたと想像できます。
担当Aさん:『「酵母入りビスケット」って、なんか固いよね~。変形してみようか?例えば、「酵母」をひらがなにして、「ビスケット」を省略すると~、こんな感じ!「こうぼビス」。どう?』
担当Bさん:「ん~、なんか響き悪いよね。「こうぼ」がイケてない。あ、こんなのはどう?「コービス」。ちょっと軽くなったかな!?」
担当Aさん:「いいね~!そしたらさらに変形しちゃおうよ。「コ」と「ビス」をひっくり返して『ビスコ』にしたらどう?」
担当Bさん:「うん、いいと思う!省略して商品の特徴がちゃんと入っているから説明し易いね。」
いかがでしょうか?
ネーミングに迷ったら、まずはそのまま商品の特徴を表現してみることをオススメします^^
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