ヒット商品開発の現代版キーワードは、休眠特許、他社技術、アイデアの組合せ!
テレ東の番組「ガイアの夜明け」で、富士通の休眠特許の活用と、キングジムの新商品開発シーンが放送されていました。
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休眠特許、他社技術、アイデアの組合せ
富士通の場合、自社で使ってない特許(休眠特許)を町工場に提供(ライセンス)し、新商品開発の支援を行うというもの。これにより、富士通は特許の使用料、町工場は新商品の売上が見込め、マッチングします。
富士通は特許の維持費用で数十億円もコストがかかっているため、使ってない特許はサクッと捨てちゃいたいところでしょうが、お金になりそうな特許を捨てるのはもったいないよね~という考えでしょう。
でもこうした企業努力が町工場の活力になると思うと、ぜひがんばってほしいところです。だから企業と町工場のマッチングの需要が今後も増えるよう、自治体や専門家も支援すべきではないでしょうか。
他社技術や既存のアイデアをを活かすという観点でいうと、休眠特許はとてもいい材料になります。特許庁が審査して特許を認めた技術は、新しく、進歩しているということ。また国のお墨付きがあるため、信頼性も高いです。
それに町工場のような技術開発に投資できない会社にとって、休眠特許は時間とお金を節約できるツールになるはずです。画期的な発明といわれるほとんどのものは、従来技術の積み重ねですから。
その点、キングジムの商品開発の文化は勉強になります。10個のうち1個売れればいい!という考えのため、商品開発の回転率が高い。そして回転率を上げているのが、他社技術やアイデアの活用という思想です。
番組内で紹介されていたように、他社技術の探し方で効率的なのが、特許庁のデータベースを使うことです。商品のキーワードで検索してヒットした特許文献には、他社名や住所も載っているため、情報収集がすばやくできます。
≪まとめ≫
何が売れるかよみにくい時代にやってはいけないことは、開発時間をかけすぎることかもしれません。コストをかけても時間はかけない。時間をかけるとヒットのタイミングが過ぎてしまうリスクもあるからです。そして開発時間をかけない有効な手段が、休眠特許、他社技術、アイデアの組合せでしょう。
休眠特許はネタの宝庫!アイデアを再利用した商品企画がアツい!
大手メーカーが休眠特許を大売出ししたら後発企業や中小企業は儲かるのか?
2015年1月20日
著者 ゆうすけ
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