ハードウェアスタートアップが取り組んだほうがいい知的資産経営の順番とは?
秋葉原にDMM.makeができたように、ハードウェアスタートアップの活躍が増えそうです。でもモノがつくりやすくなったということは、パクられやすくなったとも言えます。
攻撃は最大の防御とはいえ、不意打ちに耐えられる準備をしておくにこしたことはありません。ハードウェアにおける知の資産をどうやって扱っていくべきでしょうか。
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まずは知的財産戦略から
製造業の知的資産経営で特に必要なのは、知的財産戦略と情報セキュリティ対策とナレッジマネジメント。このうちハードウェアスタートアップだったら知的財産戦略の優先順位が高いといえます。
なぜならハードウェアは見た目のみならず、分解されると内部構造まで簡単にバレてしまうからです。売れてるモノ、売れそうなモノは他社に研究されると考えた方がいいでしょう。
そこでパクられたモノに対抗できる有効な手段が特許や意匠登録です。特許ならアイデア、意匠登録ならモノのデザイン(形状)を守ることができます。
また特許や意匠登録の制度には、ひとまずモノの売れ行きを見て、売れそうだな~と見込がたった後に特許や意匠登録の手続きをするテクニックもあります(参考:デザインプロダクトをテストマーケティングした後に意匠登録するための注意点)。
その後、チームメンバーの入れ替えや事業拡大に伴い、情報セキュリティ対策やナレッジマネジメントに着手するのが、ハードウェアスタートアップに適した知的資産経営と考えられます。
≪まとめ≫
勘違いされがちですが、特許や意匠登録は最大の目的は、モノを独り占めすることじゃなく、パクリ対策することです。イグジットにとってマーケットが荒れた状態ではモノの価値も不安定になるのではないでしょうか。
2015年1月18日
著者 ゆうすけ
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