大手企業の知的財産戦略が量から質へ転換したのはいつごろから?
大手企業の知的財産活動の方針が変更されてるようですが、それって今さらはじまったことではありません。
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10年前すでに量から質へ転換しはじめていた
大手企業が相次いで知的財産戦略の転換に動き始めた。特許の保有や取得数が多いパナソニックは量から質への転換を図り・・・。
<引用:2015/1/5 日経朝刊「知財戦略フロンティア 攻めに転換、成果生む」>
国内の特許出願件数が1年で一番多かったのは2005年の427,078件。これ以降、特許出願件数は年々下がり始めました。
さらに2008年のリーマンショック以降、この件数は急落。2009年は344,598件で、前年の391,002件から一気に46,000件も減ったんです(参考:今のところ最新版!2012年の特許件数の実績データで知っておきたいポイント )
そもそも特許の予算は、コストカットの対象になりがちです。特許そのものが金になるわけではないから(製品が売れなきゃ特許の価値は目減りするし)。残念ながら、特許は真のプロフィットセンターではありません。
だから大企業では、リストラの前に特許のコストカットがされているはずで(されてなかったらブーイングでしょうね)、例えば某S社の大規模リストラは2005年9月に行われています。
ちなみに昔はたくさん特許を取って業界を囲い込む作戦でしたが、今では当時獲得した特許の維持管理にコストがかかっているため、せめて自分たちが使っていない特許を資金源にしようとする動きもあります(参考:大手メーカーが休眠特許を大売出ししたら後発企業や中小企業は儲かるのか?)
≪まとめ≫
知的財産戦略とかって難しく考えがちですが、ようは社内でちゃんと検討しましょうねってことです。検討するには、知的財産の担当のみならず、技術担当や経営部門の人たちがもっと積極的に会話するようになればいいんじゃないでしょうか。
2015年1月7日
著者 ゆうすけ
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