商標登録が家族崩壊の原因?有名人は名前の管理に注意したほうがいいかも!
有名人の名前がついた商品はよく売れます。しかも本人がプロデュース!なんて書かれていたら、その商品に対する信用度はグッとあがりますよね。
だから有名人は名前をちゃんと管理したほうがいいんです。なぜなら本人以外の関係者が、その名前を独り占めしようとするから。そしてその結果、家族の仲が悪くなることも。。。
photo credit: Highway of Life via photopin cc
家族にも亀裂を入れかねない商標登録
・・・一茂が「長嶋茂雄」の商標登録の更新を行い、その商標権を獲得、これに対してミスターは「少年野球教室のことで協力してほしいからサインをしてほしい」といわれてサインをした「騙しうちにあった」として無効を主張していると報道。
・・・
・・・一茂は自分の事務所・ナガシマ企画が得た「長嶋茂雄」の商標権をはじめすべての権利をオフィスエヌ、つまりミスターと三奈に返すことを約束したという。
<引用:2015/1/6 LITERA 「長嶋茂雄と一茂“父子の骨肉の争い”が継続!? 正月放映の特番でも…」>
ミスターの商標登録の話題は、2009年くらいからずっと続いていますが、今年(2015年)の年始に放送された特番が切っ掛けで再浮上したようです。
引用した記事を簡単にいうと、ナガシマ企画(一茂氏)が株式会社オフィスエヌ(ミスター・三奈氏)を出し抜いて商標登録を横取りしたとのこと。しかも「長嶋茂雄」の商標登録の更新期限を利用して。
たしかに商標登録は原則10年で権利の期限が切れるので、更新の手続が必要です。そのとき更新用の書類(商標権存続期間更新登録申請書)を特許庁に提出します。
でも更新する人が商標権者と一致しない場合、その申請書は却下されます。そして商標権者は株式会社オフィスエヌなので、ナガシマ企画が更新登録申請書を提出しても、それは却下されたはず。
ところが一茂氏がミスターをだましてサインさせたのが、もし商標権の移転用の書類(商標権移転登録申請書)であれば、ナガシマ企画が商標権者となって更新登録申請書が受理された、と推測できます。
一方、株式会社オフィスエヌが更新手続を忘れて「長嶋茂雄」の商標登録が切れてしまったため、ナガシマ企画が「長嶋茂雄」の商標登録を再取得するためにミスターのサインをだましとった、とも考えられます。
他人の氏名を商標登録するには、その人の承諾が必要です。そして一茂氏は「長嶋茂雄」を商標登録するために、ミスターの承諾を得たといつわって特許庁に提出して受理された、と推測できます。
ちなみに特許庁のデータベースを調べたところ、「長嶋茂雄」という商標登録は1件のみで、株式会社オフィスエヌが商標権者になっています(登録第5401366号)。
これは2010年に株式会社オフィスエヌが出願したもの(特許庁・経過情報より)で、おそらく後者の経緯(ナガシマ企画による「長嶋茂雄」の商標登録を再取得)があったために、さらに株式会社オフィスエヌが「長嶋茂雄」の商標登録を再取得するために行ったものではないかと思われます。
≪まとめ≫
商標登録を悪用するとトラブルに発展しかねません。家族同士とはいえ、権利はちゃんと管理したほうがよさそうです。商標権のみならず、著作権も家族内のトラブルの原因になりかねません。
<関連エントリー>
芸能人も商標登録でトラブル!?芸名を変えないと独立できないの?
2015年1月6日
著者 ゆうすけ
関連記事
-
ピコ太郎さんも驚きの商標トラブル!エイベックス社が巻き込まれた状況を図解
ピコ太郎さんの話題は2017年になってもまだまだ衰えるところを知りません。話題性
-
地域の知財活動に役立つサイトまとめ
日本では、特許庁が知的財産(以下、「知財」)の取りまとめをしていますが、特許庁は経済産業省の
-
ハッシュタグの商標戦略の考察
先日、「ハッシュタグも知的財産--商標登録する海外企業」という興味深い記事が公開されていまし
-
「必殺技」の商標戦略の考察
バンダイが「必殺技」を商標出願したというニュース(2016/3/15)が報じられました。ゲーム業
-
ジェネリック家電のコピーを防ぐ特許戦略
photo credit: blood test via photopin (license)[/