韓国のアイドルグループも頭を悩ます商標登録の傾向と対策
韓国のアイドルグループ「SHINHWA」が2011年に設立した会社「神話カンパニー」の社名を変更したニュースが報じられました。社名変更の理由は、商標登録のトラブルです。
そこで「神話カンパニー」の設立と今回の社名変更における商標登録の傾向と対策を整理しました。
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そもそも「神話」の商標登録は別の会社のものだった
・・・「神話カンパニー」設立の計画が進められ、今年初めからメンバーたちがグループ「神話」の商標権を保有する㈱オープンワールドエンターテイメントのチャン・ソグ代表・・・は神話のメンバーたちがグループ「神話」を維持できるよう商標権の使用を許可し、「神話カンパニー」の正式誕生に至った。
<引用:2011/8/3 財経新聞「韓国最長寿アイドルグループSHINHWA、「神話カンパニー」を設立」>
グループ名(SHINHWA)として「神話」を使用しても商標権に引っかかりませんが、社名(神話カンパニー)として「神話」を使用すると商標権に引っかかってしまいました。そこで「神話」を一部に含む社名「神話カンパニー」にて、商標「神話」の使用許可を取りました。
会社設立が2011年7月1日だとすると、商標登録の使用許諾の契約期間は3年くらいだったと想定できます。
商標が使用できなくなったときの応急措置
シンコムエンターテインメントは訴訟期間中に少しでも問題を増やさないため、アルバムに入る商標権の使用を自制し、昨年発売した神話の11thフルアルバムからアルバムのジャケットに神話の名前は削除してロゴだけを入れ、今後もそうする計画だと説明した。
<引用:2014/9/15 Kstyle「神話カンパニー、社名変更…商標権問題を防ぎ、神話という名前を守るため」>
そして今回の報道によると、ジュンメディア(旧オープンワールドエンターテインメント)が商標「神話」の使用許諾の契約を解除したため、「神話カンパニー」は社名を「シンコムエンターテインメント」に変更しました。
さらに「シンコムエンターテインメント」としては、会社名のみならずあらゆるモノに商標「神話」の使用ができなくなってしまったため、市場に出回っている商品のパッケージに書かれた商標「神話」の文字の上からシールを貼ったりして応急措置を行いました。
<まとめ>
以前、某アイドルの芸名問題で商標登録が関係していたことをご紹介しました。今回のケースも似たようなもので、グループ名としてずっと使っていた商標なのに、社名の一部で使うとNGというものです。商標登録の持ち主にメリットある契約内容にすることが大切でしょう。
2014年9月15日
著者 ゆうすけ
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