パンの作り方も特許になる!食感や保存方法が解決すべき課題になる
パンも特許がとれるんです!
photo credit: Nic Taylor Photography via photopin cc
どこから食べてもソフトなパンって気になる!
従来四角型だった生地を入れる型を独自のゆりかご型で新たに開発。じっくり熟成、高温で一気に均等な熱で焼き上げている。一般的な食パンに比べ柔らかな外側のパンの耳の部分と、しっとりとした内側を実現し、どこから食べてもソフトな食感となっている。
<引用:2014/8/27 東京ウォーカー 「特許出願中の“ゆりかご型製法”でどこから食べてもソフトな食感の半円型食パンが登場!」>
神戸屋さんの特許件数を調べたところ、現在は2件もっています。この記事では”特許出願中”とのことなので、これが特許になったら3件目になるはずです。
たしかに、どこから食べてもやわらかい食感、つまり硬さが均等しているパンというのは解決すべき課題かもしれませんね。それに神戸屋さんのパンの形も特徴的で、このような形に焼き上げるための素材の配合率、オーブンの温度、焼き時間などが特許のポイントになるとイメージできます。
パンの特許はザックリ検索すると720件!
食品もちゃんと特許になるんです。だから食品メーカーはけっこうがんばってます。そこでパンの特許って何件くらいあるのかザックリ検索したところ、720件ありました。
どんな検索キーワードを設定したかというと、特許庁の公報テキスト検索の「IPC」っていうところにベーカリー系の技術コード「A21D?」(?はワイルドカード)と、「発明の名称」ってところに「パン」を入力しました。つまりパンの技術分野(A21D?)において「パン」に関する特許は何件あるか?という調べ方です。
またパンの特許といえば以前もご紹介したパン・アキモトの「救冠鳥プロジェクト」の缶詰パンを思い出します。
ポイント1.パンを詰めた缶ごと焼く
ポイント2.缶詰の内側とパンとの間に障子を挿入した
ポイント3.食べた後でも役立つ空き缶
缶詰にしても乾燥しないパンの製法という課題を解決する手段として、缶詰ごと焼いたり、内側に障子を仕込んだりした特許です。この特許でパン・アキモトはライバルのパン屋に対する防御壁を手に入れ、その分売上がのびた好事例となりました。
≪まとめ≫
食品の特許を考えるなら、まずは食品そのものにどんな課題があるか?とか、当たり前の文化と食品の組み合わせ(例:パン・アキモノ)でどんな効果があるか?などを考えると、特許化を狙えるアイデアが出てくるのではないでしょうか。
2014年8月27日
著者 ゆうすけ
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