知的財産と会計のことをちゃんと知りたい社長にオススメする日本で唯一のブログ
弁理士という仕事のおかげで、いろんな方と知り合い、仲良くさせていただく機会が、サラリーマン時代と比べて格段に増えました。その中には、会社の社長さんのような仕事が切っ掛けで出会った方ばかりでなく、ときには互いの境遇や悩みを分かち合う戦友もいます。士業は横のつながりが大切なんです。
そんな中でも特にキレ者の戦友が情報発信しているブログ(IPFbiz)を今回は紹介します。
photo credit: Philippe Put via photopin cc
知的財産と会計についてのするどい視点が役立つ
知的財産は会社の“目に見えない価値”で大切なんですけど、ぶっちゃけ利益に直結しにくいところでもあります。なぜならそれ自体が商品やサービスではないからです。むしろ商品やサービスの価値をあげたり会社経営を安定させたりするツールとして活かすべきものです。
知的財産権(特許など)をとり、その特許によってライバルが真似できなくなれば、その分の売上が自分に加算されるため、実質的に儲かることになります。そしてこのような場合、特許の市場価値は高いといえます。
また社内のベテラン従業員が長年かけてつちかったモノづくりのノウハウも、立派な知的財産です。そのノウハウ自体は売れない(オープンにできない)けど、そのノウハウでつくりあげた商品やサービスは他では真似できないくらいプレミアムであり、会社経営に欠かせないわけです。
このような会社に大切な知的財産と会計というテーマをミックスしたブログが、ぼくの友人であり頼れる戦友でもあるatakaくんのIPFbizというブログです。
ぼくがオススメしたい記事はこちら!
知的財産権のBS資産計上について(特許権・会計処理編)
特許権がどのように取得されるかにかかわらず、その特許権の本質価値自体は変わらないはずですが、
実際は取得ルートによって会計処理は大きく異なることとなります。
下記3つに分けて説明します。① 企業結合により取得された特許権
② 企業結合以外の手段により外部から購入された特許権
③ 自己創設の特許権
特許は自分でとるだけじゃなくて、誰かからかりたりもらったりすることができます。最近だと会社の統廃合(M&A)により、いままでなかった特許をいきなりもつようになることもけっこうあるはずです。そればかりでなく、技術開発部隊を買収すれば新商品の開発が自社内で行われるようになるため、特許をとる機会が突如増えるでしょう。そんなときに特許の会計処理を知らないとまずいわけです。
オープン・クローズ戦略 知財戦略の参考図書
事業モデルを無視して、取れる権利を盲目的に取ることに意味は少ない。
しかし誤解してはいけないのは、
事業戦略が決まった後に知財戦略が決まる、という意味ではないこと。事業戦略を設計するときに、
その手段としての知財戦略の実現性をしっかりと検討し、織り込み、
同時に考えていく必要がある。
新商品をリリースするときに、ほとんどの経営者ができれば特許でおさえたいな~と考えています。ところが特許をとることと引き換えに、その商品の内容を世の中に公開(オープン)することになります。商品の中には、コカ・コーラのように、分析されてもあの味の秘密はきっとわからないよねっていうものもあります。というように、むしろ秘密(クローズ)にすべき部分はどこなのか?を検討することが、今後の事業戦略ではますます重要になってくるでしょう。
知財監査 IP Audit
そんなIP Audit、「知財監査」の内容はざっくり言えば、
知的資産と知財リスクの洗い出し。まず、自社の知財を洗い出して、可能な限り定量化・可視化する。もちろん特許に限らず、知財権に、著作権、ライセンス契約やノウハウなども。そして、知財に関するリスクも洗い出して、リスク管理を行う。
<引用:知財監査 IP Audit>
監査といえば、日本では会計監査が良く知られていますが、海外では知財監査(IP Audit)もけっこう知られているようです。日本に比べ、海外では知的財産が原因でもめるケース(知財訴訟)がとても多いからと考えられます。日本でも最近では元従業員が会社の機密情報を海外の企業にリークしたなんていう事件がけっこう起こっています。そのため会社の無形資産をどのように管理して事業の継続を目指すかはかなり重要なテーマです。そういう観点でも知財監査は会社の経営戦略の一手になるとぼくは考えています。
≪まとめ≫
というわけで、環境や境遇は違うものの、知的財産という大きなテーマで共に切磋琢磨できる戦友がいることはとても心強いわけです。また知的財産の業界で情報をキュレーションして発信をする人は非常に少ないので、ぼくとしても引き続き注目したいブログです。ちなみに彼とは弁理士受験時代からの知り合いで、勉強もよく教えてもらってました(笑)。近々、講演会をやるようなので、興味ある方はぜひ!
2014年7月26日
著者 ゆうすけ
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